読むのに少し時間のかかる本のご紹介が続いています。
『彼女のかけら』。
以前Netflixで見たドラマの原作です。
人は身近な人のことを本当に全部理解しているのだろうか?
知っているのだろうか?
という問いかけが恐ろしく、胸に突き刺さる小説でした。
主人公はもうすぐ30代の冴えない女性。
母と一緒にレストランで食事をしていたところ、
銃乱射事件に巻き込まれます。
そこで自分も狙われるのですが、
なんと普通の主婦だと思っていた母が犯人と対峙したことで、
母の知らなかった一面を見せつけられることに。
そこから危険な目にあいながら、
母のたどってきた人生を紐解いていく小説です。
人は隣にいる人のことを、どれほど知っているのだろうか?
そんな問いは常に人間関係にはつきまとっている気がします。
ましてや家族は近しい存在だけれども、
どれほど家族のことを知っているのだろう…。
実は全く知らないのかもしれない。
それが怖いことではなくて、
その人を知ることの深さ、怖さ、面白さを
描いた作品だと思います。
ある程度ドラマで先を知っているはずが、
小説が面白くて止まりませんでした。
結果寝不足…。
楽しいハッピーになる小説ではないですが、
時間のあるときにぜひ読んでみてください。