hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

毎日のことをバロメーターに 益田ミリ『前進する日も、しない日も』

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わたしが家事の中で一番苦手なもの、それは洗濯。多い少ないが日によって違うことや、日によってモノが違うので、予測できないところが苦手ポイント。

 

「取り込んでたたむ、しまう」がわたしの担当ですが、あまりに多いと息苦しくなってきます。たいてい、しまう場所別に洗濯を取り込むのですが、それがすんなり分類できないときや、しまうときに家族の引き出しがぐちゃぐちゃになっていると、絶望的な気分になります。洗濯物で絶望するときがあるなんて…はい、そんな時はたいてい疲れているのです(笑)。だいたい毎日することなので、洗濯のときの気分がわたしのバロメーター。苦手な家事だからこそ、そこで不調に気付くことができるようになりました。

 

疲れていることに気付いたら、ちょっとぼーっとしたり、もちろん本を読んだり。そんなコンディションの日にたまたま図書館で、この本を見つけました。なんとまあ、疲れた気持ちにぴったりなタイトル!そして表紙のイラストにも心をひかれました。

 

とりたててすごいことが起きるわけでもない日常だけれど、なぜかミリさんのエッセイを読むと面白いことのようなのです。怖いことや特別なことが起きないので、身構えて読む必要がなく、疲れている心にはぴったり。なのに最後には心に残る文がいくつもあるのがミリさんのエッセイの素敵なところ。

 

いつものように、読み終わるころにはすっかり元気になって、明日するまで洗濯のことを忘れて。やる気のないときにも寄り添ってくれるエッセイがあって幸せでした。

 

 

今年も生活にちいさな革命を マグちゃん洗剤

今年も暮らしは少しずつ変化しています。f:id:hon-nomushi:20180109120725j:image

去年の年末いつもの食材宅配広告に、マグちゃんの広告が入ってきました。

気になっていたこともあって、早速注文!届いてみると「これが洗剤?」と思うものが入っていました。

 

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約13cm×10cmの小さなマグネシウムの入った袋を、洗濯機の中にぽん、と入れるだけ。これが洗剤。繰り返し1年ほど使えるものなので、洗剤のストックが不要。柔軟剤ももちろんいりません。ただ入れて、洗って他の洗濯物のように干すだけ。梅雨時もにおわないそう(これからの梅雨に実験してみます)。そして使い続けることで、洗濯槽や洗濯ホースも徐々にきれいにしてくれるそうです。

https://magchan.com/products/detail.php?product_id=7

 

マグちゃんを使ってみて、驚いたこと。ただ洗濯機の中に入れるだけなので、誰でも簡単に洗濯ができます(普段洗濯をしない人にとって、洗剤をどのくらい入れればよいかを考えるのは結構ストレスだそう)。

洗剤のかさばるストックを買う必要もありません。

使わないときはぽんと置いておくだけ。

そして使い終えた後は…中身を庭にまいたり鉢に入れると植物の肥料になるそうです。

これは…小さな確かな革命!そしてミニマム!

 

「環境を大切に!」というのは簡単ですが、「実際に何をすればいいの?」と思うとなかなか思いつかないもの。でも日々の生活のなかに、もっと人にも地球にも優しい選択を積み重ねていくことができたり、排水溝ときれいな海がつながっていることに多くの人が気付いたなら…。きっとそれこそ、今一番必要な確かな革命なのだと思います。

でもマグちゃんが素敵なのは、環境に興味がなくても「楽にきれい!」なお洗濯であること。一般の方や洗剤を買いに行くことが大変な方にこそ、マグちゃん洗濯がもっと広まったらいいな、と思っています。

 

1つだけ…マグちゃんの洗濯では絹、ウールなど動物性衣類は避けたほうが良いそう。

Q:洗濯ベビーマグちゃんは、絹製品には使用できませんでしょうか。 | EMJ店長ブログ

我が家では絹、ウールには引き続き「海へ」を使用しています。

hon-nomushi.hatenablog.com

 

 

今日の片付け わたしが手放せなかったもの

なんでもポイポイ捨てているような印象だと思いますが…わたしにも捨てられないものがあります。

 

最近まで手元にあったNHKの語学教材。なんと2010年のものでした…。

このころもう一度基礎を見直そうと思い、意気込んで1年分CDと教材を買ったものの…何度トライしてもどうしても使いこなすことができず、8年も経ってしまいました。CDもあるので2010年に終わらせる必要がなかったことも、教材が長く動かず本棚に居座る原因となっていました。

 

f:id:hon-nomushi:20180302101951j:image今年、あらためて取り組もうとしてみたのですが、やっぱりわたしには合わないよう。「何度やっても挫折するものは手放そう」とようやく思えるようになって、CDもまとめて処分しました。代わりに1冊文法の本を選んで、それを徹底的にやってみることに。語学教材はどうしても本棚にたまりがちだと、断捨離のやましたひでこさんが良くおっしゃっていますが、全くその通り。8年も手元にあったことに驚きました…。手放したら「取り組む」ことをしなくてよくなったのでほっとしたせいか、気持ちもすっきりしました。

 

でも不思議と、もっと早く手放せばよかったとは思わなかったのです。今年再び取り組んでみてようやく合わなかったという結論が出せたので、それまでに無理やり手放していたらすごく後悔したと思うのです。自分の気持ちが納得するまで待ったことが、この片付けには大切なポイントでした。

 

片付けは急いでぱぱっと決断できるところと、そうでないところが誰でもあると思います。わたしにとって語学の教材がすぐに手放せないもの。でも納得できるまで持ち、活用できるか問い続けてみることで、ようやくいつも大切にしたい1冊にしぼることができました。そんな風に時間をかけることで、大事にしたいものがわかることもあるなあと実体験から納得。

 

「すぐに捨てられないものもある」、そんな風に自分の気持ちを認めることも大切。それに気が付いたら、もっと片付けやすい別のところから取り組むなど、自分にやさしい片付けにつながりそう。

 

ついでに…便利だと思って買い、結局使わなかったみどりのマーカーと赤いチェックシートも処分。みどりの線でひくと、本が見にくくなって結局使わずじまい。赤いシートは3枚もとってありました…。やはりわたしにとって片付けにくいものは学習教材&グッズのようです。

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すべてを1冊のノートに Emi『わたしらしさを知るマイノートのつくりかた』

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整理収納の本が大好きなEmiさんの新刊、書くこと研究(?)が大好きなので迷わずタイトルを見て手に取りました。

 

Emiさんは仕事を始めてから、ノートにすべてを書くことにされたそうです。仕事のことだけではなく、日々のことや雑誌で良いと思ったコーディネートもすべて1冊に。お子さんが産まれてからは、お子さんの体調などもすべてメモされているそうです。

 

Emiさんのマイノート、大事なポイントは、

ーとにかく何でも、このノートに書いておく

ー何で良いと思ったのか?自分の感情まで書いておく

ー見直す

ということだと思いました。

 

「何でもここに書いてある」ということは、これさえ見ればわかる、という安心感につながりそう。そしてノートをわざわざ項目で分けないので、ひらめきも心の揺れも「これさえあれば!」遠慮なく書きとめておけます。

「何で良いと思ったのか?」を書いておくことで、自分が見直したときに、その時期の自分の気持ちと向き合うツールになるのです。

そして「見直す」こと。これが一番大切とEmiさんもおっしゃっていましたが、とにかく書きっぱなしにせず見直すことで、自分がその瞬間何を考えて、何を大切にしていたかがわかるからです。

そうして日々積み上げた瞬間を逃さずにいたからこそ、Emiさんは整理収納アドバイザーの範囲を超えてお仕事をされているのだなと思いました。

 

この本の最後に、マイノートに初めて取り組んだ方の実例が掲載されているのですが、それが本当に参考になりました!Emiさんのアドバイスが的を得ていて、「こんな風に日々ノートを生かすのだな」とすごく腑に落ちました。このページがとってもわかりやすかった!

 

Emiさんのマイノートは、何でも受け止めてくれる相棒のような存在。ノートとこんな付き合い方ができるのだなあ。

 

 

 

 

 

 

 

遠くて近い世界を味わう ローズマリー・サトクリフ『ケルトの白馬』

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イギリスを代表する児童文学作家、サトクリフのことは大学の児童文学授業で良く耳にしていました。でも元気な時や余裕があるときでないと、サトクリフの重厚な世界に押しつぶされそうで…。いまだに読破できていない、気になるけれどなかなか手にとらない作家のひとりです。

 

そんな印象だったサトクリフの作品ですが、この本は小さくて薄く、表紙の装丁に息づかいを感じたので、つい手に取ってしまいました。「よいしょ」と、読み始めるのに少し勇気がいりましたが、現実世界から隔離されることなく読める作品でした。

 

主人公はあるとき自分の人生の要となる描くことに目覚めます。ところが部族は戦争で囚われの身になり、自由を奪われた中で表紙の作品を作り出すことを求められます。

 あまりストーリーを説明すると中身が伝わりすぎてしまうほどシンプルな構成なのですが、物語が上滑りしないのは、主人公の芸術へのかかわり方がとてもリアルだから。シンプルな文章の中、主人公の存在や息づかいを感じるほど、作品を生み出すときの状況がつぶさに描かれていました。

 

実際にイギリスに表紙の白馬は存在するそうです。もちろんこの小説は創作で、なぜこの白馬が描かれたのかは謎のままなのですが、物語を読んでから訪れることができたら、もはや物語の背景なくてはこの馬が存在しえないかもしれない、と思ってしまいそうです。一度見てみたいなあ。イギリスにずっとあこがれていた子どものころ。そろそろ訪れてみようかな。

サトクリフを読み始めようとするわたしに、最適な一冊でした。

今日の片付け Wifiルーター&固定電話

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恥ずかしながら、Beforeの写真。リビング収納の一角は4年前に引っ越してきて以来、こんなごちゃごちゃのまま過ごしていました。引っ越し前は中の見えない戸棚にしまう予定だったルーター、インターネットTVや電話機器。ガラス扉でないとリモコンが作用しないとのことで、泣く泣くこの形になっていました。

 

さらに元はルーターなどを置く場所として計画していなかったために、棚板の高さが合いません。横になったり詰め込まれたりしていた機器たち。年末には絶対ここをきれいにしよう、とひそかに決めていました。

 

ところが年末、思わぬ形でがらーんと解決してしまいました。

11月中気になることがあったので、電磁波コンサルタントの猿田さんに我が家に来ていただくことに。このところ原因不明の頭痛に悩まされたり、目の疲れがひどかったりして、一度家を見ていただくことにしたのです。そうしたら、実はこのリビングにある固定電話から高周波が出ていることがわかり、びっくり。おまけにWifiもつなぎっぱなしだったので、リビングが実はかなりくつろげない状態になっていたことがわかったのです。

 

それから、すぐに対策をはじめました。

固定電話→必要としていた方がいらしたので譲る

iphoneがあるので固定電話の必要性があまりなく、今後は携帯で連絡をとることに)

Wifi機器→ポケットルーターに変更(機器はレンタルだったので返還)

地上波のテレビ→テレビを見る機会が減っているので、Netflixに変更

(のちに地域として電波障害があるため、インターネット会社との契約がなくても引き続き視聴できることがわかりました)

というわけであっという間にここに積み上げられていた機器類が不要になり、掃除の必要もないくらいがらんと片付いてしまいました。

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身体は目に見えて楽になりましたし、インターネット契約を変更したので固定費の減額にもつながりました。(今のところポケットWifiとの違いも感じず快適です)

意図せずとも一石三鳥のお片付けとなり、快適に。いつも目にしていたごちゃごちゃをみなくてよいのが、何よりストレス軽減。

気になっているところが片付くと、気分もスッキリでした。

本とともに思いがけないところへ 小川糸『にじいろガーデン』

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時折、なにげなく手にとった本で思いがけず遠くへ旅する気分になることがあります。まったく予想のつかないところへと手を引かれて連れて行ってもらうような感覚。

この小説はまさにそんな作品でした。

 

『キラキラ共和国』からはまっている小川糸さん。読んだことがない作品を見かけるとすぐに手に取るようになりました。そうして出会ったのが今回の『にじいろガーデン』。驚きました。主人公たちの行き着く先が予想以上の広がりで、人生そのものを深く見せてもらった感覚になりました。主人公たち(女性同士)が出会い恋に落ち、一緒に家族を作り、人生をともに過ごす数十年が描かれているからです。

 

長い時間を家族としてともに過ごす時間は、時に痛々しく生々しい。でも恐れずにそれを世界の中で表現する作者のチカラ、その先も見据えて書き終えるチカラ、その力強さをずっと感じながら読み進めました。また読みたい。また味わいたい。素直にそう思える小説でした。