近所の図書館にて、児童書のコーナーにフランス語の背表紙発見!それが今江さんの作品との出会いでした。背表紙のフランス語がなかったら、手に取ることのない作家だったかもしれません。
まず冒頭で、とにかくあっけにとられたと同時に深くのめりこみ、主人公の姿に恋しました。
戦争が背景にはなっているけれども、あくまで主題は魅力的な主人公ちとせ。
愛人が何人もいる、つかず離れずのご主人との関係(とはいってもどろどろした愛人ではなくて)。
ある時は百姓、ある時は料亭のおかみの仕事をこなしていく姿が、どれも素敵。
ラストのまさか!の展開がすばらしくて、一気に読んでしまいました。
この小説は新聞連載されていたそう。もし連載だったら、次が待ちきれなかっただろうな。
アンチエイジングなんて意識されていないだろうけれど、まさにアンチエイジングの主人公。
こんな風に軽々と、ひょうひょうと生きてみたい。
主人公のひょうひょうは、生きている中に起こるいろいろを、無視するでもなく直面するでもなく、ちょっと外においとく感じ。たまにぴりりとスパイスにして。