ものにストーリーがあること 高見恭子『100 collection』
わたしには15歳ほど年上のいとこがいて、彼女は当時本屋さんにつとめていました。
いつも誕生日には本を送ってくれるのですが、この本は彼女から姉に贈られた本でした。
その頃はまだ中学生くらいだったと思うのですが、写真やものの美しさに、何度も勝手に持ち出しては
眺めていた本でした。
いつもの靴、バッグ、アクセサリー、洋服。
買うもの、作ったもの、大切な本、そして写真。
いつもまわりにあるものがこんなに大切にされていることが新鮮でした。
ものが著者のもとに来るまでの物語が、
そのもの自体の美しい写真と一緒に人をわくわくさせてくれます。
いつかこの本にある同じものを手に入れたい、と思っていたあの頃とは違うものを好んでいるけれど、今でも大好きな作家の方が大切にしているものの本を見ると、同じように心がときめきます。
大切なものに囲まれたい、と思った時にはぜひ手に取ってみてください。