hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

まいにちやることの一部 村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』

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久しぶりに村上春樹さんを読みました。

彼の作品はほぼすべて読破しているはずなのに、この作品だけはなぜか手に取らずにいました…。たぶん走るという行為が全く自分の生活にないので、なんとなく読まずにいたというだけなのですが。でもでも、予想に反してそんなわたしに響くことがたくさんあるエッセイでした。

 

特に興味がそそられておもしろかったのは、彼が日常の生活で書くことと同時に走ることもはじめたという面白い一致。身体を動かすこと、彼の書くスタイル、その詳細が余すところなく語られているのがすばらしかった。作家というより一人の人間が、いかに毎日を過ごしているかについて語るというのは、なかなかないような気がします。

その人の在り方、毎日繰り返すこと、それでもコンディションの上下があること。人は本当に面白い存在だなと思い、夢中で読みつくしました。

ちょっとつまずいたときに、穏やかなヒントの本になりそうです。決して直接的ではなくて。