ついについに、とはいってもわりと前の本ですが。辰巳渚さんの片づけ王道ベストセラーを2冊連続で読みました。
今では驚くことですが、冒頭のエピソードで作者の仲間が集まったとき、「モノをいかに収納するか」がメインで、誰もあふれた書類を捨てようとはしなかったそう。今なら断捨離という言葉があるので、捨てれば?という一言で済むかもしれないけれど、その頃はいかに多いものを家のなかに押し込むか、がメインの考え方のようでした。モノが多すぎると落ち着かないわたしは、それをきいただけで気持ちがわさわさしました(笑)。
モノを所有することは、人間の本性でもあるということを著者は指摘されていて、
それを知るだけでも、とっておきたくなる自分の気持ちが肯定されて安心します。
もちろん、捨て方の指南もたくさん。わたしには「しまったを恐れない」、「一度使ったからOK!」 「一定量を超えたら処分」などが心に効きました。要は捨てるのにもちゃんとルールがあって、それを明確にしたり家族で共有すると、家が片付くのですね。これによって、使用度数回のフォンデュセット(あまり使わないのに捨てられずにいた)を処分しました。
そして、第2弾『「片づけなくてもいい!」技術』では、さらに人の行動心理もふまえて13の法則が書かれています。
「人は壁があると物を置きたくなる」では、つい日本人は着物をひっかけていた感覚で洋服を壁やカーテンレールにかけてしまうという指摘が!なんだか納得でした。
あとは「人は3つまでしか分類できない」など…。それぞれの法則には、「こうしたら片づけなくてよい」とする指南も書かれています。
そして、著者が行っている片付けのセラピーに関しても。身体のケアに置き換えられている文章がとても印象的でした。
「健康のためにがんばりつづける日々ではなく、なにもしないで不安に過ごす日々でもなく、とりたてて健康のためにはなにかしているようには見えないけれど、いつも健康を保つような行動をとっている暮らし方ができれば、それはとても楽な暮らし方のはずだ。」
そして、あとがきより。
「日々の暮らしの営み。その暮らしをともに生きる家族の日常の行動や会話。それらがどんな目標にたどりつくかではなく、その一日次の一日をたしかな実感とともに始めて、終えること。そのたゆみない繰り返しを愛おしみ、今日できることをし続けながら、子どもたちに受け渡していくこと。そんな私たちの暮らしが、政治経済といった世の中の仕組みがどうあれ、もっとも確固たるものとしてつづいていくこと。」
片づけは奥深い。