hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

いつもとは違う気持ちで ピエール・ルメートル『悲しみのイレーヌ』

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なぜこの本を予約したのか?今となってはすっかり忘れてしまいましたが、予約していた本として手元に届きました。

 

推理小説のジャンルに入ると思うのですが、ディープな日常とはかけ離れた本は、雨が降り続く寒い季節にはぴったりかもしれません。

主人公はパリの刑事。猟奇的な殺人を追うにつれて、殺人事件を描いた本と殺人の様子が酷似していることに気づきます。その後も本と殺人がリンクしていき…複雑かつ、賢い人が巧妙に組み立てた小説の世界にどっぷりはまり、読み始めたら手放せなくなっていました。

 

タイトルは彼の奥さんの名前。「その方向にはいかないでほしい・・。」というわたしの個人的な願いは全く届かず、読み終えた後はしばし呆然としていました。たまたまこの本を読んだ友人に会うことができて、この気持ちを共有できたからよかったのですが。いやはや、いつもとは全く違うジャンルの本に、がつんと気持ちを持っていかれた読書時間でした。万人にはおすすめできる内容ではありませんが、ちょっと退屈な時などにはおすすめ。ただし、内容は重いので、気持ちが落ち込んでいないときにどうぞ。