hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

手放す気持ちよさ わたなべぽん『やめてみた』

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タイトルに惹かれて、ずっと読みたかった本を読みました。

「やめてみた」。本当にシンプルで、でもとてもとても魅力的なタイトル。

著者がやめてみたことがたくさん載っていますが、身の回りも心もすっきりとするような、爽快感のある作品でした。

 

著者が「やめる」気持ちよさに目覚めたきっかけは、炊飯器が壊れたことだったそう。そこから土鍋でご飯を炊き、そのおいしさに目覚めてから、掃除機を手放し(フロアーモップのみ)、テレビのつけっぱなしをやめ、どんどん心までクリアになっていきます。

 

ものだけでなく人間関係もまた、不快に思うことをやめたり、ある色の洋服を似合わないと思い込むのをやめたり、生きることにまつわることも、やめることが増える中、反比例してどんどん幅が広がっていく様子がとても気持ち良い。ものだけにとどまらず、人や自分との関係性まで変わってしまうなんて。生活の変わるきっかけが、スイッチ一つで炊ける便利な炊飯器を手放したことというのが、なんとも面白い。一見面倒に思えることが、生活すべてを変えるきっかけになるなんて。わたし自身も周りを見回して、「やめてみる」ことができることがないかなあ、と探してしまいました。