hon-nomushi’s blog

読んだ本、大好きな本、そして時々生活のつれづれ

マンガのような読後感 朝井リョウ『星やどりの声』

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新聞の書評を見て、装丁に惹かれて手に取った本。はじめてこの作者を知りましたが、一度目にしたら忘れない印象的なタイトル『桐島、部活やめるってよ』と同じ作者だったのですね(こちらは未読)。

 

最初に登場する人物が多く、読み始めは世界に入り込むのに少し苦労しましたが、読み進めていくうちに深くのめり込んで、一気に読んでしまいました。

正真正銘の小説なのですが、主人公たちの表情すら読み取れるかのような文章。まるでマンガを読んでいるような、背景すら具体的に思い起こせる作品。ここまで具体的に想像できる文章の小説は、なかなかないような気がします。そして「あと少しでやめておこう」と思う続きマンガを、一気に読破してしまうのと同じように、途中でやめることができませんでした。世界にはまり、一日ぼーっとしていました。

 

あらすじは海辺の町で四人兄弟+母が、亡くなった父の残した喫茶店を残そうと奮闘する話(かなりはしょっての説明ですが)。さわやかな風も感じるような、完成された世界の作品。季節にぴったりで、今出会えたことがよけいうれしい作品でした。