図書館でしばらく素通りしていたのですが、タイトルにひかれてつい借りてしまった本。これは大正解でした。
この本が大好きと思ったのは、まず「捨てる」ことが前提とされているもので、おいしいものがたくさんできていること。冒頭のレシピ、しいたけの軸ブルスケッタがおいしい!誰に言われたわけでもないのに、捨てることが当たり前になっていたしいたけの軸。それが本当に立派な、しかも何度も食べたくなるくらいおいしい食べ物になっていることに、心から感動しました。他にヒットは大きなレモンをたっぷり入れて、はちみつを好きなだけ入れるイタリアンレモンティー(本の中でこんな名前がつけられていました)。大きなレモンをスプーンでがしがし潰していただきます。このおいしさもまたまた感動で、分かち合いたくなるほどのおいしさ。家に来てくださった方たちにもどんどんご紹介しています(これははちみつがポイントのよう。メープルシロップだとなんだか違うのです)。
1つ1つのレシピが驚きに満ちていて、常識が揺さぶられる面白さ。それが味覚という5感にダイレクトに働きかけるものだから、面白くて面白くてすっかり夢中で試しています。嬉しかったのは、有元さんのほかの本で知りたいと思っていた、鶏一羽をキッチンバサミでさばくやり方が写真付きで紹介されていたこと。これもまた、もうすぐ試せるので楽しみでしょうがありません。
こんな風に素直にたくさん試してみたいと思わせてくれる、わくわくに満ちた本。それに「使い切る」ことが片付けと似ていて、料理をしたあともすがすがしくなれるのです。「作る、食べる」まではどんな料理本も載っていますが、そのあとの片付けにも生ごみにもすがすがしさを感じられる本は、なかなか出会いません。
うれしさに小躍りしながら、購入してページをめくる楽しさ。2018年はわたしにとって「使い切る」面白さに目覚めた1年となりそうです。