こてこて。昔よくあったようなデーンと石が主張する指輪。亡くなった祖母が昔々、私へと準備してくれていたものでした。20歳のプレゼントにといただいていたものだそうですが、20代にこのデザインは重すぎて、使うことなくしまったきりのものでした。
片付けを初めて使わないものを手放していくうちに、何度もどうしようか悩みました。
「使っていない」し、持っていても「わくわくしない」。手放すものに当てはまることがたくさん。ただ、いつものように処分することに抵抗がありました。街のジュエリー買取では土台の金しか評価されないのではないかという心配がありましたし、石自体の価値がよくわからなかったので、価格の査定に自信がなかったのです。
「わからない時はその道のプロに聞いてみよう!」
相談先として思いついたのは、婚約指輪もつくっていただいたZelkova K ジュエリーデザイナーのけやきさん。ジュエリーのことならけやきさんに、と心から信頼している方です。
実物をけやきさんに送って確認していただくと、石が本当に美しいもので、なかなか手に入らない美しい珊瑚だということがわかりました。赤が美しくて手放すにはもったいないとのこと。それを伺って決心がつき、指輪からネックレスにリフォームしていただくことにしました。
デザイン画を送っていただき、最終的にこの形で決定。
(画像はZelcova.Kさんページよりおかりしています)
先端の丸いネジネジがロングチェーンの数か所についていて、ロングにもショートにもアレンジ可。美しいだけではなく実用的で、普段も惜しげなく使うことができます。
そしてとっても驚いたこと。
指輪の時は重い印象だった珊瑚が、ネックレスになったら生まれ変わったように生き生きしていました。初めてつけたときには祖母からの応援が石に込められているように感じて、涙が出てきたほど。きっとそれは錯覚ではなく、祖母がこの珊瑚に込めてくれた願いだったのだと思います。それを拾い上げて大切にリフォームをしてくださったけやきさん。お願いしてよかったと、心から感謝しました。
この先もずっと大切にする、でもたくさん「使って」一緒に過ごすこともできるジュエリー。生まれ変わったのは、かたちだけではなく「もの」そのものでした。ものとの新しい出会いは、形を変えることでも生まれるのだなあと実感したリフォームでした。