hon-nomushi’s blog

人生の友になる本、片付け記録や毎日のつれづれ

夏になると読みたくなる本 高田桂子『透きとおった季節』

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数少ない蔵書の1つ。子どものころに読んで忘れられない1冊となり、大人になってから買い求めた本です。

 

主人公は小学生のアキ。お人形のように美しく、勉強もできて非の打ちどころがない子。お母さんは洋服のデザイナーでとてもお金持ち。完璧すぎるゆえに友達はなかなかできません。でも心の中ではたくさんおしゃべりをしていて、大人の様子もしっかり見ています。期待通りのいい子を演じてしまうことに嫌気がさしているのですが、つい演じてしまう自分にも気づいて、変えたいと思っています。

子どもながらにこの本に惹かれたのは、主人公の周りの大人の姿がしっかり描かれていたから。大人も悩んだり時に泣いたり、失敗したりすることを隠さずに描いてくれていたからこそ、心に残る1冊になったのだと思います。

 

学校に行けなくなった主人公が親戚の家に預けられ、様々な大人と関わるのですが、さすが洋服のデザイナーの母だけあって、着るものの美しさがちゃんと描かれているのです。その中に浴衣の描写があって、とても美しいのです。だからなのか、夏になると必ず読みたくなります。実はお父さんの男性との交流も描かれていて、そのあたりの繊細な感情の動きと暑い夏がうまく調和していて、忘れられない1冊となったのだと思います。

 

暑い季節を楽しむのはなかなか難しいけれど、こうして季節で読みたい1冊があると、その間だけは暑いことも楽しめるのが不思議です。ぜひ夏の間に読んでみてください。