ただいま所用でカナダ、ケベック州モントリオールに来ています。
てくてく歩いていたら、塔のある家を発見!
子どものころ読んだお話で、大好きだったのにタイトルを忘れてしまった本があります。その1つに外国(どこの国が舞台だったのかも忘れてしまいましたが)で暮らす主人公の一家が、おうちを探す話がありました。家を探す前に主人公のお父さんは、彼女(確か10歳くらいの設定)にどんな家がいいか尋ねる場面があります。彼女の答えが「塔のある家に住みたい」でした。今でも鮮明に覚えているのですが、彼女が半分ふざけて言ったその条件を、お父さんがちゃんと家探しのメモに加えたのです。そして本当にそんな家を不動産屋さんが探してくれて、めでたく彼らは引っ越しをするというお話でした。たぶんそこがメインに描かれたお話ではなかったのですが、そのお話だけはこうやって切り取られてわたしの記憶に残っています。
「塔のある家?」と、とても疑問に思ったことを覚えています。
「どんな家だろう?」って。基本的に日本にはありませんから…。
そして数十年経ち自分でたくさん旅をして、そんな家があることをちゃんと目で見て
「わかった!」のでした。
読書ってこうやって人の記憶に残っていくのだろう、そう思います。
そしてその部分は、同じ本を読んでいても人によって全然違う。
それが本のおもしろさだし、わからないまま熟す期間があることも、また読書の喜び。
塔のある家を見たら子どものころの読書を思い出しました。
帰ったら司書さんを困らせて探してみようかな(笑)。