hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

素直な意見が胸にささる 坂本菜の花『菜の花の沖縄日記』

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去年知人夫婦が面白い学校にお子さんを入れるため、高知へ移住されました。

今は公立や私立だけではなく、子どもの特性を生かすような学校がたくさんあるようですね。私自身は大学以外、ほぼ公立で育っているので、勉強以外に特化した新しい学校に興味津々です。

 

そんな中たまたまこの『菜の花の沖縄日記』を見つけたのですが、石川出身15歳の菜の花さんは沖縄のフリースクール珊瑚礁スコーレに単身で入学します。

sangosya.com

そして今沖縄で起きていること、基地問題や戦争の際の出来事を、体験した人々から直接伺うなど、自分の言葉で素直な感想を綴っているのがこの本です。

 

フリースクールではどんな授業があるのだろうと、どちらかというと学校に興味がわいて読み始めた本ですが、どうしてこんなに心が揺さぶられるのだろう。沖縄の現状が15歳の少女の口から素直に語られると、戦争の傷跡の深さ、沖縄の厳しい現状に素直に心を寄り添わせることができます。

 

どうしても戦争反対の活動や、沖縄を見捨てるなという一般的な反戦の活動には、どうしても参加するまではいかず、一歩引いてしまうところがあります…。(強く強く戦争はしたくない、と思っています!)だけれどもこの菜の花さんの本は、誰も責めないで、見たこと体験したことをありのままの1人の人間が悲しみや驚きとして捉えたところに、わたしの心が反応したのだと思います。スコーレの教育について知りたいと思ったら、今の日本の問題に突き当たったという読書でした。

 

人の心が、強い反対に動くのではなく、1人の人がどれだけ真剣に問題を捉えたかで動くものだとしたら、間違いなく菜の花さんの本がわたしの心を動かしました。多くの方にぜひ菜の花さんの素直な文章に出会ってほしいと思います。