引越しに関わらず、世間はコロナで大変な状況になっていますね!
最近わたしは家にある本を読み返して、新たな楽しみを見出しています。
今回の引越しでは捨てずにたくさんの本を持ってきましたが、荷造りが大変だったのでやっぱりもう少し厳選しよう!と決意したばかりです。本棚もまだ落ち着かないので、出したり場所を変えたり。
でもでも、きっとこの作家の本は減らさないだろうと思うのです。
マリア・グリーべ。
子どものころから大好きな作家のうちの1人で、リンドグレーンと同じスウェーデンの作家です。彼女の本は絶版になっているものが多いので、かなりの数をとっておいています。そして本棚整理で久しぶりに手に取ってみたら、やっぱりいいのです。
『夜のパパ』は、夜勤で働くユリアの母の代わりに、子もりとして家にやってくる男性と主人公ユリアとの交流の話です。夜のパパとの交流だけではなく、学校の子どもたちとユリアの関係や、お父さんがいないユリアがからかわれて落ち込んだりするような、子どもの日常をまっすぐに描いています。
何より今回読み返して気が付いたのは、主人公の心の動きを丁寧に言葉にしていることです。ただ「からかわれて悲しい」という単純な気持ちだけではなく、その前にはからかわれた子と仲良く過ごした時間があることなど、人間の関係性のあらゆる面を逃さず書ききっている所が、グリーべの作家としての力だと思います。改めて読み返して、この作品のすごさにうなりました。
グリーべの本だけに言えることではなく、本はとてもたくさんの顔を持っていて、必要な面を必要な時に見せてくれるものだと思います。ぜひ皆さんも家にあるいつもの本たちを再度手に取ってみて、楽しんでみてください。もし余裕があって図書館などで予約ができたら、グリーべも読んでみてください。おすすめです。