わが家の子どもが1年生になりました。
1年生になったらぜひ一緒に読みたいなあと思っていたのが、この本です。
前回ご紹介したのと同じ作家、グリーぺの『ヒューゴとジョセフィーン』です。
わたしがグリーぺを好きになったのは小学生のころ、別の作品を通してですが、
大学生になってから同じ作家の本はないかと探して出会ったのがヒューゴの作品でした。
この作品は「北国の虹ものがたり・2」とあるように、ジョセフィーンという女の子を主人公にした3部作なのですが、この2がちょうど、1年生になったジョセフィーンともう1人のヒューゴとの新しい小学校の様子が描かれていて、子どもが1年生になった時にぜひ一緒に読みたいと思っていたのです。
スウェーデンを舞台とした作品ですが、どこの国でも新1年生は不安なもの。
そして学校生活は楽しいだけではありません。グリーぺは子どもの様子をとにかくリアルに描くのが素晴らしい作家ですが、この作品も例外ではなく主人公がいじめられる様子や、学校の女の子同士の関りを本当によく描いています。
そしてもう一人の主人公、ヒューゴ。
ヒューゴは初日から学校に遅刻してしまうし、他の子のように親と一緒に学校まで来たりしません。先生とも対等に話し合うし、洋服も何もかも違うけれど、どこか特別で他の子から一目置かれています。でも、いじめたり人の道から外れるようなことは絶対にしません。先生の代わりに、騒がしい子に注意したりもします。
この他の子と違うヒューゴの行動がとにかく面白くて読んでいて飽きないこと、そして「こんな子がいることもあるよ、どんな子でも学校にいていいんだよ」という気持ちを伝えたくて、子どもと一緒に読みました。
子どもに読んでみたら、いつもは夜寝る前にだけ読む本ですが、昼間も持ってきては続きをせがまれたり、全部読み切ったら「この章だけ読んで」と言われたり、ヒューゴが本当に大好きになったようです。
新1年生がいるご家庭にぜひお勧めしたい1冊です。グリーペの作品は残念ながら絶版になっているものが多いので、図書館で探してみることをお勧めします。
わたしが愛してやまないヒューゴを、みなさんも好きになってくれたら嬉しいです。