おうち時間が長くなってきて、「あそこに行きたいなあ」「ここにも行きたいなあ」という気持ちが抑えられなくなったら、そんな時こそ本の出番。
数カ月前、映画を見た帰りにお気に入りのレストランに立ち寄ると、目の前に何冊も本が置いてある一人席に案内されました。その中にぽつんと置かれていたのが、この林檎の礼拝堂の本でした。まずは表紙の美しさ。奥にある木と絵のバランスの美しさに目を奪われます。
フランスのノルマンディー地方にある朽ち果てていた礼拝堂は、現代美術作家の田窪さんによるプロジェクトによって生まれ変わりました。
村人からすれば、突然見も知らぬ日本人が村に現れ礼拝堂を改修するという話。苦労なさった資金繰りや、そのほかの法律的な制約をどう克服するかなど、この林檎の礼拝堂が出来上がるまでの様々な出来事が1冊に収められています。
読み終わったとき、わたしも林檎の礼拝堂を訪れよう、と決めました。
その時はまだコロナもそこまで深刻に考えられておらず、
できるかどうか心配だったのは資金繰りとか日程とか、
「現地まで運転できるかな?」ということだけでした。
今考えると、工夫さえすれば自由に行きたいところに行けるとは、なんという嬉しさとぜいたくだったのだろう…。
でも、わたしたちは行きたいところをためることができる、そうも考えています。
自由になったらやりたいこと、行きたいところ。
制限されている今だから、世界が元気になったら
自分が本当に訪れたいところはどこか。
制限されている今だから、感じられることもあるはず。
そしていつか世界が元気になって、互いに行き来できるようになったら、
この思いを感じながら、互いに会える幸せを感じて旅をしたいと思います。
それまでは本で行きたいところを感じていよう、と思います。