hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

それぞれに響くことば 田中のりこ『暮らしが変わる仕事』

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図書館が完全閉館する前、ふらりと立ち寄った時に目に入った一冊。その後の閉館を知らずに借りて帰りましたが、こもり生活にあってよかった1冊でした。

 

この本は、パン屋さんやアクセサリー屋さん、皮製品製作のアーティストなど、自分で仕事をし生きている女性たちにインタビューをした本です。

どうやって今の仕事に出会ったのか、生活はどのようにされているのか、自分の生活についてなど。それぞれ異なる仕事やバックグラウンドをお持ちの女性たちばかりなので、それぞれの物語を読むように楽しんで読書が進みました。

 

同じ本を手に取った家族が、

「この本はグランジュテみたい」と言って、その通りだなあと腑に落ちました。

 

グランジュテとは、NHKで以前放送していた女性を主人公にした番組で、その方の人生や仕事をまとめたものでした。放送されているとき、大好きで毎回楽しみに見ていました。中でも今はない福岡の靴屋さんが紹介された回を今でも覚えていて、グランジュテをきっかけにそのお店に通うようになったのでした。今はもう見られないかな?アーカイブはネットのどこかにありそうですね。

 

この本も、グランジュテのように一人が主役の章がたくさん重なり合っていて、読んだ後にたくさんの人に出会ったような、そんな感覚になりました。なにより主人公たちの人生が多様なので、読んだ人それぞれに響くことば、響く箇所がきっと違うと思うのです。何度も読みましたが、わたしの自分のコンディションによっても、日々響くことばが違いました。多様な出会いがこの本の中に込められていて、大切に読み返していました。

 

今は自由に人と会えないときだから、そんな時こそこの本の中のような方たちに出会えたことがうれしくて。本の中のたくさんの出会い、今こそ響くのではないかと思っています。