hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

旅のエッセンス

気負わない旅の記録 益田ミリ『考え事したい旅』

モンサンミッシェルの本を探していて、 図書館で普段行かない書架に行ったら、 素敵な旅の本をたくさん発見! しばらくは旅の本についてばかり書いてしまうかもしれません。 第一弾は、益田ミリさんの気負わない、フィンランドの旅の本です。 何年かにわたり…

旅に想いをはせて 内田洋子『海をゆくイタリア』

昨日まで一泊二日で長野に行っていました。 家族の軽い誘いで外泊キャンプについ付き合ってしまったのですが、 蚊の猛攻が記憶に残る滞在となりました…。 実は外で寝るのが結構苦手。 虫は蚊以外ならわりと平気ですが、 ずっとぶんぶんされると、やっぱり苦…

本屋さんが好き 朴順梨『離島の本屋』+『ふたたび離島の本屋』

このところ本屋さんにとっても興味があって、 たまたま読んでいた本の最後にこの本の紹介があったことから読んでみました。 日本には、本当にたくさんの島があるんですね! 知りませんでした。 長崎に住んだときは五島・対馬・壱岐があるので、 離島という言…

生涯行くことのない地へ想いをはせる 川俣一英『エーゲ海の修道士』

村上春樹『雨天炎天』をこよなく愛しています。 その舞台となっているギリシャのアトスについて書かれたこの本を、 大好きなセラピストさんがお読みになっていて気になって。 お正月明け、ようやく図書館に届きました。 舞台となっているのは女性が決して入…

絵画と小説の出会い 原田マハ『暗幕のゲルニカ』

いや、おもしろかった。 夢中になって読みました。 『三体』(以前のブログにあり)を最近読破したので、 図書館をうろうろして読みたい本を探していたところ、 原田マハさんの作品に出会いました。 以前彼女のモネを題材にした本を読んだことがあったので …

美しいと思う国 椎名誠『アイスランド』

圧倒的に美しい自然の風景。 いつかのブログで南に惹かれるひと、北に惹かれるひとがいるのでは、 と書いたような気がするのですが、 わたしは圧倒的に北に惹かれるひと。 小さいころに見たラップランドの景色を忘れられず、 リンドグレーンの影響もあって北…

NZに行ってきました 『ニュージーランドの大らかで自然に寄りそう暮らし365日』

この夏休み、久しぶりの海外へ行ってきました。 あまりに海外旅行が久しぶりすぎて、異様に緊張しました。 食べ物の持ち込みも厳しいと聞いていたので、 徹底的に持ち物をチェックしての入国でした。 全く未知の国に久しぶりに行くという状況の中、 この本の…

いつか行きたい旅のストック 髙森玲子『スペイン サンティアゴ巡礼の道』

夏休みですね。 子どもがほっと一息ついているのがわかります。 そして休みになると、旅に出たくなります。 週末ちょこっと時間が見つけられる日をスケジュールを見て探したり。 国内だと2日あれば充分、楽しめます。 だけれど、海外はやっぱり前もって色々…

実は見たことのない幽霊 藤野可織『私は幽霊を見ない』

幽霊を見たことがある? という質問に、イエスと言える方はちょっと優越感を持って、 この本を読むのかしら。 わたしは、はっきりノー。 今まで見たことがありません。 だけど、考えて見たら幽霊という存在を知ってから、 怖くて怖くてたまりません。 怖い話…

知らないことを知る楽しみ ライス『英国教会の解剖図鑑』

火曜から水曜の大雪のおかげで、てんやわんやしていたここ数日。 火曜、または金曜ブログ更新のペースがすっかり乱れてしまいました。 おまけに体調と心の不調で小学生が家におり、 自由な自分の時間がなかなか作れずにいます。 そんなこんなでいつもと全く…

再び、銀色夏生『外国風景』

あけましておめでとうございます。 昨日から住んでいる街は、なぜかもやがかかっています。 今朝も少し。 そうしたら、この本の写真のことを思い出しました。 hon-nomushi.hatenablog.com くっきりはっきりした写真もたくさん掲載されているのですが、 今朝…

旅の行き先を決める本 新藤悦子『いのちの木のあるところ』

図書館でこの本の案内を見て、どうしても読みたくなりました。 実在するトルコのディヴリーの大モスクと治療院が、どうしてできたのかを 物語にした本です。 ディヴリーの大モスクと治療院は、未だにどうしてできあがったのか、 謎ばかりだそうです。 作者の…

旅をするひとを知った本 銀色夏生『外国風景』

この表紙の古びた感じ、写真でも伝わるでしょうか。 わたしが中学生の頃に買ったもので、もう20年近く持っている本です。 度重なる引っ越しにも耐え、本棚ミニマム化の嵐もくぐりぬけて 残っている力強い1冊です。 この本との出会いは不思議なものでした。 …

旅は身軽にリュックで行きたい 岡本敬子『好きな場所へ自由に行きたい』

ようやくようやく、旅に出る方も増えてきたのでは?うれしいです。 以前から気になっていた本が届いて、うれしくて何度も読み返しました。 ファッションのお仕事をされている岡本敬子さんが旅に出るときに 愛用されているものが、訪れた場所とともに紹介され…

留学する前に読みたい本 三砂ちづる『少女のための海外の話』

この本は最近出版されたばかりの本ですが、 読んだときにしみじみ、 「ああ、わたしが留学する前に出会いたかった」 と強く思いました。 わたしが留学したのは10数年前の大学院生の頃。 ちょうど30歳になるころでした。 高校生、大学生の頃は金銭的にも留学…

やっと読めた本 今西祐行『浦上の旅人たち』

今日、長崎は去年の7月のような大雨。 目の前の川の様子を見ながら、このブログを書いています。 雨なので読書が進む、進む。 最近図書館で出会ったこの1冊を今日は読み終えました。 長崎の隠れキリシタンの方々が弾圧をうけている頃の時代を描いた、 子ども…

長崎の雑誌 『らく』

前の記事で五島うどんについて語ったので、長崎つながりでこの雑誌をご紹介します。 だいたい図書館や銀行に置いてある、「らく」という雑誌。 季刊誌のようですが、表紙の写真が美しくて、つい手に取ってしまいます。 特集も長崎に特化していて、わたしのよ…

こもる旅へ出たい 柊こずえ 早川茉莉『修道院のお菓子と手仕事』

あとどのくらいしたら自由に旅ができるのだろうか。 最近そんなことばかり考えています。 コロナの本格的なシャットダウンの前に引っ越しをしたので、 わたしはずっと慣れ親しんだ場所で暮らし続けているわけではありません。 だから今住んでいる場所にいる…

「東京低地順応」に心惹かれる 石川直樹『地上に星座をつくる』

新刊を見ると手に取らずにはいられない作家の方が幾人かいらっしゃいますが、 わたしにとって石川直樹さんはその中のおひとり。 ヒマラヤだとか高い山に登るなんてわたしの人生に起こりえない(今のところ)ことだけれど、石川直樹さんの本で写真や文章でそ…

ずっとずっと読み続ける本 須賀敦子『須賀敦子全集』

須賀敦子さんの名前を初めて聞いたのは、確か大学の発表の場でだったように思います。ユルスナ―ルを研究されていた方の発表に、大学の先生たちが「須賀敦子」という名前をおっしゃったことを覚えています。 大学図書館ではめずらしい彼女の水色の書籍が地味…

今だから、旅の記録 mini_minor『”忘れたくない”をかたちにするmyトラベルノート』

わあ、こんな風に旅をまとめられたら素敵だなあ、とワクワクした1冊。 図書館で偶然出会いました。 たくさん旅することが貴重な体験となっている今だからこそ、 過去の旅の1つ1つを本当に大切に思います。 でも自分が旅を記録しようと思うと、いつも文字ばか…

今こそ楽しむ本の旅 沢木耕太郎『旅のつばくろ』

去年の今頃はこんなに旅が自由にできなくなるなんて、思いもよりませんでした。 自由に生きたいところに行けるとは、なんと楽しいことだったんだろう。 今、心からそう思います。 でも、わたしたちには本がある! 本の中ではいくらでも遠くに思いを馳せるこ…

本で旅をする時間 田窪恭治『林檎の礼拝堂』

おうち時間が長くなってきて、「あそこに行きたいなあ」「ここにも行きたいなあ」という気持ちが抑えられなくなったら、そんな時こそ本の出番。 数カ月前、映画を見た帰りにお気に入りのレストランに立ち寄ると、目の前に何冊も本が置いてある一人席に案内さ…

ハノイおすすめガイドブック 竹森美佳『悠久の都ハノイへ』

久しぶりにアジアへ旅行に。ハノイに行くことに決まったのは旅行の予定が二転三転した後。のんびりしたくて何となく選びました。 そこからガイドブックを色々探し、この1冊が気に入りました。 昔からある情報や写真いっぱいのガイドブックだと、どうしても目…

旅でふたたび ワイルダー「大草原の小さな家」シリーズ

6月のこと。知人にくっついて、霧多布の1軒家に泊まってきました。知人はワークショップなどで忙しかったのですが、わたしたちはのんびり。以前はオーナーが暮らしていたというこの家は、周りは湿地帯。道路からは奥まっているので、外には他人の気配が全く…

義母の本棚

今年、関東から沖縄に移住した義母に会いに行ってきました。義母は刺繍や織物が趣味。家にいると常に刺繍や織物をして、手を動かしていました。 そんな義母が突然沖縄に移住すると聞いたのが今年の始め。アクティブで海外にも刺繍を見に行っていた義母。糸を…

小川糸さんのブログから 内田洋子『モンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語』

何気なく読んでいた小川糸さんのブログで発見したこの作品。 何とも興味をそそられて、手に取りました。作者のことは以前からエッセイが大好きで知っていましたが、この本はエッセイというよりも、研究書に近いような本でした。 ベネチアに住むことになった…

今江祥智さんをめぐる旅② ユキパリスコレクションなど

京都2日目。 ホームページで知ったお菓子屋さん、歩粉へ行くために今宮神社の方へ。神社近くはあぶり餅で有名だそうですが、開店時間より到着が早すぎたので、神社のみ探索して歩粉へ向かいました。 歩粉にはお菓子のフルコースというものがあり、迷わずそれ…

今江祥智さんをめぐる旅 京都に行ってきました①

以前記事にした大好きな本、『袂のなかで』に喫茶店の名前が出てくるのですが、 思い立ってふと調べてみたら現在も営業されていることがわかりました。hon-nomushi.hatenablog.com 「フランソア」という京都にある喫茶店です。なんだかとっても行きたくなっ…

旅キロク④ 旅だから気づく荷物のオーガナイズ法

今日が最後の日。明日の朝早く帰ります。 旅キロク、荷物編。 人にたくさん会うたびだったので、スーツケースの半分は行きのお土産。帰りは今度、自分の国の人たちへのお土産。入れ替えるだけだったので、半分スペースが開いていたのが本当によかったです。…