すてきな装丁と、面白いタイトルに惹かれて読んだ本です。
著者の朴さんは日本の方ですが、
「外国で暮らしてみたい」という想いを実現するために、
仕事の見つかったフィンランドへ移住されます。
生活をしているので単なる旅行記ではなく、
子どもの受ける教育について体験したことなど、
まさに『生活の練習』というタイトルそのものの読みものでした。
北欧の教育に関しては良くメディアに取り上げられているし、
いいらしいというニュースはあっても、
どこがどう日本の教育と違うのか。
どうやって教育が行われているのか。
具体的に知りたい方には本当に参考になる本だと思います。
わたしが面白かったのは、
日本の母親の求められているハードルが
あまりにも高いと感じることについて述べている所と、
どちらの国でも保育の場を体験したことによって、
日本では個人のがんばりによって公共の場が
支えられすぎていたのではないかと気づくところ。
どちらが良い悪いではなく、方法や考え方が全く違うところを
冷静に見極めて文章にしてくれるところが面白かったんです。
この著者の姿勢はどんな出来事に関しても貫かれていて、
冷静に物事を見る姿勢、比較することの無意味さなど
はっとさせられる視点がたくさんありました。
この本を全て読んだ後、他の国に住み教育に携わっている
知人にぜひ送りたいと思いました。
彼がどんな反応をするか、それも楽しみです。