時折新刊の本には、出版社の新刊案内がはさまれていることがありますが、
この作品はその案内の中から見つけたものです。
表紙の絵を見てはっとされた方もいらっしゃるかもしれません。
宮崎駿さんの絵が表紙です。
一目見るだけで誰の作品かわかるというのは、
子どもの頃から彼の作品をたくさん観てきたから故かもしれませんね。
話がそれました、これは一応児童文学に分類されているのですが、
ウェストールの少し怖い短編集です。
でも本当におどろおどろしいかというと、そんなこともなくて、
怖さのさじ加減が絶妙なんです。
怖すぎて読めないほどではなく、怖さだけが読後感に残るわけでもなく、
でも思い返すとやっぱり奇妙で怖い話ばかり。
今までこの作家の作品は『かかし』しか読んだことがなくて、
その時も読後感が全く他の作家と違っていたのを思い出しました。
ストーリー展開、そのほかの描写をじっくり味わいながら読んで、
なんだかすごい才能の作家に出会ってしまったなあとしみじみしています。
短編集なので時間のあるときにさっと読めるし、
そこまで怖くもない(とわたしは思います)ので、
雨の日などぼーっとしたいときの読書におすすめします。
勤め先の小学校図書館では、怖い話が大人気なのだけれど、
ウェストールのような描写が微細な話にもはまってくれると
次につながる読書になるのではないかと、ひそかに思っています。
現実は文字数が多いだけで敬遠されてしまうのがおちだけれど。