山本ふみこさんの本が大好き。
一時期図書館にある本をほぼ全てかりて、一気に読んだことがありました。
だけれども見逃していたのか、他の本がその時はツボだったのか、
ブログでご紹介したことはありませんでした。
『食卓の力』というと、
なんだか力んで一生懸命な感じがしますが、
ふみこさんのこの本は、
お料理をするのにスキップしながら行っていそうな、
著者のワクワク感が伝わってくるのです。
「お料理は楽しいから、続けてみない?」と、
遊びに参加したくなるように、
料理を楽しんで行うコツを色々教えて下さる本だと思います。
なんせ著者は自由学園でみっちり料理の基礎を
仕込まれていらっしゃるから、
基本的なことをエッセイの中で教わることができるのです。
でも、著者も迷ったりするから
その様子も読んでいて楽しくて、新しい発見があります。
そして料理を続けることで、生まれる楽しみ。
そのことを一番この本は伝えたかったのではないか、と思うのです。
日々のことになると料理はおっくうになるときも、
毎日作るのがしんどい人もいる。
けれど、いつかそれを乗り越えて毎日のご飯を自分で作ることが
当たり前になった時、
登山をして山頂に登り切った時のように
それはそれは自由な景色が広がっているのではないか、と
素直に信じることができるエッセイなのです。
ご飯を作るのがしんどい時に、
ぜひ読んでみてください。
そして読んだ後にちょっと何か作ろうかな、
と思えたら幸せ。