ミニマリストの本かな?と思いながら手に取ってみたら、
今は人の住んでいない無人島から人が引き上げた時のこと、
その前の島の歴史について書いた本でした。
著者はイギリスについてたくさんの著作がある方。
まだわたしはイギリスに行ったことがないのですが、
メアリー・ポピンズからパディントンまで大好きな本がたくさん!
だからいつか行ってみたい、と強く思っているのです。
旅リストの優先順位的には高くはないのですが。
そんな中、ミニマリストの本かと思って手に取ってみたら、
まあ著者とこの場所の出会いの面白いこと。
そしてこの本を書いてくれと、最後の住民たちから
言われたかのような不思議な出来事が綴られていて、
場所と人との不思議な出会いにも思いを馳せました。
あるスピリチュアルな方に、
「行ってみたいと思うところや行ってみたところ、というのは
前の魂がすでに旅している所」
と教えていただいたことがあります。
場所とも不思議なご縁というものがあるようで、
もしかしたら場所についての本を書くときも、
様々な魂に導かれて書くものなのかもしれません。
海の中の孤島のような生活の厳しい島で、
危険な漁をしながら暮らしを立てていた島民。
その後生活の変化、様々な時代の変化に対応しながら、
最後は島を引き上げるという選択をした人々。
著者の丹念な調査と温かなまなざしも感じられる、
ただの旅行記とは一線を画した一冊だと思いました。
普段は図書館に静かに眠っていて、
気になる人にだけ本から手をのばしてくれているような、
そんな本でした。
知らない場所が大好きな方に、ぜひおすすめしたいです。
今は失われてしまった、誰かの大切な場所に
本を読むことで旅をすることができます。