hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

いつまでも友達のピッピ リンドグレーン『長くつ下のピッピ』

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4月末から5月にかけて、子ども読書週間というのがあるのをご存知ですか?

文字通り、子どもに読書を推進する運動なのですが、

それに合わせて図書館などでは様々なイベントが行われています。

 

近所の図書館でも、新聞紙に包まれた本が年齢別に分かれて置かれていて、

借りて初めてどんな本が入っているかわかるというイベントをされていました。

うちの子どももその中の1つを借り、楽しんでいました。

その中にたまたま『長くつ下のピッピ』が入っていて、

自分で読む良い機会となったようです。

 

写真の本は私がもう長いこと持っている自分の本で、

子どもが産まれる前から大事に持っている本です。

子どもにも時折勧めてみるのだけれど、

ちょっと字が小さいみたいで、

なかなか自分で読んでみる気にはならなかったよう。

今回のイベントをきっかけに読んでくれてうれしく思いました。

 

わたしがピッピに出会ったのは小学生の頃。

そのころ家族と折り合いが悪くて、

ピッピみたいに1人で暮らしてみたいと思っていたものでした。

大人になって読んでみると、

今はピッピの孤独もちゃんと描かれていることに気づき、

また別の面からピッピを見るようになりました。

 

自分の子どもは1人で暮らすピッピのことをどう思っているかな。

今度聞いてみようと思います。

 

児童文学は本物がいい C.S.ルイス『ライオンと魔女』

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最近の読み聞かせは『ライオンと魔女』。

自分でかなり本を読めるようになったけれど、

こういう長編は、漢字が読めなかったら嫌なようで、

なかなか自分からは手が出ないようです。

読んでほしいけれど、1人で読むのが大変な作品は、

わたしがお勧めして夜寝る前に読むことが多いです。

幸いなことに、読み聞かせを始めると物語の力で、

長くてもしっかりお話を楽しんでくれます。

 

クラシックな美しい装丁の本をわたしは選びましたが、

最近は写真の下に映っているような

学研「10歳までに読みたい名作シリーズ」などでも

同じ作品の簡易版(?)が出版されています。

名作・古典の作品を手に取る子がなかなかいなくて、

昔ながらの装丁だと、うちの子のように読むのが大変そうで

興味を持ってもらえないから故のことだと思います。

そんな子どもたちに少しでもとっつきやすくするために、

装丁や内容を変えているのだとは思うのだけれど、

編訳なので、本物とは全く違います。

 

うちの子も学校にあったからと、同じ「名作シリーズ」の

ライオンと魔女』を借りてきていました。

自分でそれは全部読んでみたようだけれど、

嫌がらずに聞いてくれているので

夜は引き続き本物の『ライオンと魔女』を読んでいます。

昨日の夜、読んでいたら「あの本と全然ちがうね。」と

はっきり二つの本の違いがわかったようでした。

 

本物の作品の絵の美しさ、言葉の難しさ、翻訳された訳者の言葉選び。

読んだその時はわからないこともたくさんあるだろうけれど、

あえて難しさ、わかりにくさを省略しないことが、

どれほど子どもたちに大切な事か。

わからないことや怖いことを排除しないでいること。

物語が人に生きる力を与えるのは、

ここにあるのではないかと思うのです。

 

最初の入り口として「名作シリーズ」を手に取ったら、

そのあとにやっぱり本物の作品を読んでほしい。

心からそう思っています。

 

現在のアメリカン・ドリーム ケリー・ヤン『わたしのアメリカンドリーム』

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最近、アメリカに関しては格差の現実を書いたものが多い気がします。

けれどもこれはそんな現実を描きながらも、希望も書かれていて

最後まで読んで良かった、と思った作品です。

 

主人公の両親は中国からの移民で、

やっとのことで見つけた住み込みのモーテルは

思った以上の重労働。

主人公ミアは受付を手伝いながら、

そこで起きる様々なできごとと関わりながら

成長していきます。

 

様々な出来事、と簡単にひとくくりにしてしまったけれど、

酔っ払いが泊めてくれとからんできたり、

盗難事件が発生したり、主人公の年齢で対面するには

きついことばかり。

だけれど、主人公は英語を書くことを学び、

それを武器にして様々な人の手助けをしていきます。

その成長の過程こそ、アメリカンドリームそのもの。

昔のような一攫千金ではなく、

自分の力で勝ち取っていく過程こそが、

現在のアメリカンドリームそのものなのでは。

 

小説の中でもこうして希望を糧に

自分の力で生きている人物を知ることができたことで、

勇気をもらうこと、たくさんあると思います。

この本の主人公ミアも、

間違いなく人の背中を押してくれる人です。

 

結局、仕事は人との関り ハービー・山口『人を幸せにする写真』

                           

更新まで少し時間が空いてしまいました。

GWは忙しく、あっちこっちうろうろしていました。

久しぶりに都内にも行って、街中でたくさん歩きました。

「都会の方が実はけっこう歩くんだよね!」なんて会話を家族でしながら。

今日から通常運転、の予定です。

 

さてさて今日の本は、エッセイ。

たまたま表紙の笑顔が良くて手に取ったのだけれど、

これは仕事の仕方について学べる本だな、とピンときました。

エッセイ自体はビジネス書でもなんでもないのですが、

著者ハービーさんが出会った人たちや、

写真を撮ったいきさつなどが書かれていて、

とにかく写真の美しさ、すばらしさに圧倒されながらも、

ハービーさんの人への優しさが印象に残りました。

 

結局良い仕事をするのには、自分の心の底に

人への信頼や優しさがあること。

それを忘れずにいらしたからこそ、ハービーさんは

すばらしい写真をたくさん撮れたのではないか、と思います。

 

40代になり、仕事の時に人に厳しくなりがちな私。

読んだ後に、自分の仕事のやり方を見直したくなりました。

 

ご自身の仕事で何か悩みのある方に、

ぜひ読んでいただきたい本です。

明確に「こうしなさい」というのはなく、

決してビジネス書ではないのだけれど、

仕事に関わるヒントがたくさんある本だと思います。

 

繰り返し出会う本の中のひと 宮本輝『ここに地終わり 海始まる』

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kindleの表紙をそのままアップするとなんだか味気ないですね!

わたしにとって大事な本で、時折読み返したくなる本です。

 

小学生の頃は浴びるように児童文学を読んできた私は、

中学生になった時に何を読めばいいのか、

全くわからず途方に暮れていました。

高校生になってからはとにかく荒れていて、

本を読むという行為からは本当に遠ざかっていました。

 

そんな空白の6年間ののち、浪人時代にたまたま

村上春樹さんの本を手に取って、そこから読書が復活し、

大人向けの小説をたくさん読むようになりました。

 

村上春樹さんの文庫がある「む」にほどちかい「み」で、

初めてこの小説に出会った時、とにかくタイトルが魅力的で

目が離せませんでした。

そして主人公の特別な育った環境もまた、

私の心から離れませんでした。

結核におかされてずっと病棟で育った主人公。

それが、たまたま慰問に訪れていたミュージシャンから

1枚のはがきをもらったことをきっかけに、

不治の病から復活し、日常生活に戻っていく。

 

今ある日常、電車に乗ったり、外で買い物をしたり、

そんなことが当たり前ではない主人公の姿を見ていると、

自分の周りの世界もなんだか新しい目で見るようになって、

主人公にすっかり魅了されてしまいます。

 

そしてこの小説を読むたびに、良い本に出会えた喜びと、

再び読書が人生に戻ってきた感謝、

本に出会うという事も、

決して当たり前ではないと心から思います。

ぜひ時間のある時に、どっぷりと小説に使ってみてください。

 

 

 

 

 

ミニマムな家の風景 江崎聡子『エドワード・ホッパー作品集』

ホッパーの絵が大好き。

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ミニマムな世界を見ると心が穏やかになります。

家の中を描いていても、無駄なものが何もないホッパーの絵。

 

よく見ると色々なところで疑問がわくところも大好き。

この人はどうして1人でいるの?

なぜ誰も街にいないの?

ホッパーの描く人は、不思議なほど無表情。

そこもまた面白くて、何度ページをめくっても飽きません。

 

この本は研究書なので、ホッパーの人生の流れや

絵の背景も知ることができます。

ただ絵を見るだけでも楽しいですし、

詳しく知りたいときは解説もプラスして読むのもまた良し。

 

本自体が大きいので画集を手に入れることは

引っ越しを控えている生活ゆえためらいますが、

ホッパーだけはあまりにも好きなので、

買ってしまうかもしれません。

そのくらいわたしにとって魅力的な画家です。

かぞくかいぎをはじめよう 玉居子泰子『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密』

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今年の初め、親ともめてしまいました。

きっかけはお互いのコミュニケーション不足。

言葉になっていない暗黙の了解・期待を

私たちが理解していなかったことが原因で、

最後は本当に親を怒らせてしまいました。

その結果、すごく怖い思いをしたり、申し訳なく思ったり、

怒りの発生をみたことでしばらく立ち直るのに時間がかかりました。

 

かぞくだからこそちゃんと話し合う姿勢が

大事だなあと思っていた矢先。

こんな「かぞくかいぎ」の本を見つけました。

本の中には、様々な事情で家族会議を続けている親子の実例が

いくつも出てきます。

親子げんかを分析するかぞくかいぎ、

パパが単身赴任で学校に行きたくない家族のかぞくかいぎ、

ステップファミリーとなった皆でするなど、

様々な家族の「かぞくかいぎ」を知ることができます。

 

日本は特に、話し合いによる解決よりも

空気を読む、察することで発展してきた文化。

そこからすれ違いが生じることも

きっとたくさんあるだろうと思うのです。

だからこれからは、

かぞくだから察して当然というのではなく、

言葉にして伝え合い、

もっとちゃんと知ることが大切になってくるのでは。

冒頭のわたしのことも、言葉にして伝え合っていたら

ここまで大きく傷つくこともなかったかもしれない。

 

言葉にして伝え合うことは、

すぐにできることではなく、

ある程度練習が必要なこと。

どんな言葉が人にわかってもらえて、

どんな言葉だと通じないのか。

その一番初めの相手が家族だったら、

安心して失敗したり、気持ちをさらけ出したりできるのでは、

と思います。

 

子どもも、もちろん一緒に。

グローバル化が進む世界で生きるこれからの子どもは、

今までよりもっともっと

気持ちを言葉にして伝えることが大事になっていくと思います。

ぜひかぞくかいぎ、はじめてみませんか。

 

ちなみにわが家でかぞくかいぎについて

やってみるか聞いてみたところ、

こどもからの回答は、

「とうちゃんと、ぼくだけでかいぎするのがいい。

かあちゃんのきげんがわるいときどうするか、

それを話し合いたいから。」

と言われてしまいました…。