hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

おいしいを味わう

行きたい場所に行くと決めること 渡貫淳子『南極ではたらく』

以前、ごみを減らす暮らしの本を読んだときに、気になっていた渡貫さん。 南極で料理人として働かれていたとき、コーヒーすら排水溝に流せないと 伺って、南極の生活に興味を持っていました。 ようやく読めた1冊。 難局に行くまでの試験や、なぜ行こうと思っ…

信頼するパンの本 幸栄『何度も作りたくなる四季のパン』

長崎から引っ越してきて、信頼するパン屋さんまで少し遠くなってしまって なかなか買うことができません。 自分で作ることも一応できるのですが、 その時頼りにしているのが幸栄さんのパンレシピ。 一次発酵は3時間と長いのですが、 卵を使う使わないが選べ…

映画とおいしいもの 宮下奈都『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』

先日『ワンさぶ子』の本を紹介したのですが、 ずいぶん前に同じ著者のこちらも読んでいたのでした。 おいしいものがいっぱいのエッセイは、 それだけで本当に読んでいて楽しいものですが、 それが宮下さんのエッセイとなれば、 それはそれはもう、期待を裏切…

おいしい=はれのごはんではない 稲垣えみ子『アフロえみ子の四季の食卓』

先日、ぬか漬けのことを書きましたが、 その貴重さ、ありがたさを裏付けする本をまた読んでいました。 冷蔵庫なし生活をしている稲垣さんの料理の本です。 冷蔵庫がないから、基本野菜は干す・漬けるしかないそう。 調味料も砂糖は使わず。 買ってきたその日…

おいしいものは自分で作る 有元葉子『ぬか漬け帖』

先日、久しぶりにおいしいお蕎麦屋さんに行った時のこと。 お通しのぬか漬けが美味しくておいしくて、レジにも売っていて 子どもに買ってくれとせがまれました。 他の物も買っていたので、 その時ぬか漬けを買わなかったら、 「ぬかづけ…ぬかづけ…」 と呪い…

お餅大好き 飛田和緒『お餅の便利帖』

お餅が大好き。 一番食べるのは、きなこ。 その次に、しょうゆ砂糖。 知人の家でお餅を大福代わりにして、 いちご大福にしたときは衝撃的だったなあー。 大福=ぎゅうひと思い込んでいましたから。 そんないちご大福の衝撃をさらにくつがえす お餅のバリエー…

洋服よりも台所道具 土切敬子『おしゃべりな台所道具』

わたしはデパートに行くと、洋服を見に行ったはずなのに つい上の方のキッチン用品をふらふらと見てしまう習性があります。 台所の道具が大好き。 だけど、道具がいっぱいあるのは苦手。 だから、厳選されたものだけ家にあればいい。 けれども、「厳選された…

全て作るレシピの本 中川たま『たまさんちのおおらかなおやつ』

レシピの本は基本的に買わずにすませたい。 本を見て「これ作ってない…」となるのが嫌だから。 けれども久しぶりに、新生活になったばかりの今年の4月に この本と出会ってから、 あまりに図書館で何度も借りすぎて、 さすがに買おうと決めました。 この本の…

人の生きざまと台所 大平一枝『東京の台所』

色々なひとの暮らす、家の中でも台所を取材した本と知り、 楽しみに手に取ってみた1冊。 楽しみな気持ちでワクワクと読み進めてみると、 単なる台所の様相を切り取った本ではなく、 ひとと台所と人生が結びついている、ひとの生そのものを 取材した本だとわ…

食卓に新しい風を 上田淳子『フランス人に教わる3種の”新”蒸し料理。』他2冊

何でこの本を知ったのか忘れてしまったのですが、 フランスの家庭で食べられている日常のお惣菜がたくさん載っている とっても素敵な本でした。 開いたとき、「あ、なつかしい!」と思ったものや、 フランスで暮らしていた時に「これはなんだろう?」と思っ…

「食べたい」ものを自分で作る 有元葉子『有元葉子のシンプル和食』

フランスに留学していたころ、それほど食にこだわりがなく、 スーパーで手に入るもので食事をしていました。 けれども日本食品は、首都パリでないと手に入りにくくて、 色々な日本食を恋しく思っていました。 中でも、餃子、お豆腐、納豆は本当に食べたかっ…

ずっと大切にしている物語 フェルト『きかんしゃ1414』

わたしの本棚は決して大きいものではなく、 本を読む分量のわりに、蔵書はかなり少なめです。 それは、図書館を自分の本棚と思っているから。 でもその中で、本棚で不動の位置を占めているものが何冊かあります。 そのうちの1冊が、今日ご紹介する 『きかん…

わすれられないバインセオ 有元葉子『わたしのベトナム料理』

時折訪れる、大好きな街福岡。 おいしいものがたくさんあり、いつもどこにいこうか 迷ってしまうのですが、 最近は定番のお店をめぐることが多くなりました。 先日訪れた時は野菜がいっぱい食べたくなって、アジアンマルシェへ。 www.asianmarche.jp ここで…

すいとんの幅広いレパートリー minokamo『粉100、水50でつくるすいとん』

この表紙を見たとき、びっくりしました。 すいとんなのに、カルボナーラ! すいとんというと、どうしても日本の煮込みうどんのようなイメージで 洋風なめんとは結び付きませんでした。 ところがこの本では、すいとんはカルボナーラにもナポリタンにも、 はた…

平和な日常を想う絵本 『世界の市場』

先日熊本市内に行って、素敵な絵本を見つけました。 世界中の市場の様子と、売られている食べ物が中心に描かれていますが、 少しだけレシピもあります。 市場の様子を見ると、人の日常の大切さを強く感じます。 その日の、またはそのあと数日の食べ物を買い…

梅の季節2022 (再)有元葉子『梅干しを漬けてわかること』

いつもお世話になっている養鶏場、実は梅も作っていらっしゃいます。 毎年この時期に1年分の梅エキスを作る、とのことで、ご家族の集まりに 参加させていただきました。 なにしろ1年分だから、こちらでは ジャムビン20個ほど!梅エキスを仕込むのです。 も…

色々作れる小麦の本 ウー・ウェン『ウー・ウェンの100gで作る北京小麦粉料理』

以前知人の家で見せてもらったウー・ウェンさんの小麦料理の本。 『北京小麦粉料理』という、大判で数々のレシピがとても魅了的な本でした。 今日ご紹介するのはその本をベースにしつつ、 小麦粉100gで簡単に気軽に作ることができるように アレンジされ…

季節に合ったからだづくり 山田奈美『二十四節気のお味噌汁』『発酵おやつ』

先日菌の本を読んでから、すっかりファンになった山田奈美さん。 今度はレシピの本を読むようになりました。 二十四節気という言葉をご存知ですか。 東洋医学で季節を分類している言葉なのですが、 数年前から気功を初めたことで、すっかりおなじみになりま…

菌はほんとうはどんなもの? 山田奈美『発酵暮らし』

いつもの図書館新刊コーナーにて、見つけた一冊。 おもわず菌という言葉に反応して、借りてきました。 薬膳を取り入れた食事を教えて下さる山田奈美さんが、 日々の暮らしで食べているもの、 子育て中に大切にしているもの、 そんな毎日の中で菌をどんなふう…

長崎のおいしいもの にしむらかえ『かんころもちと教会の島』

長崎にきてはじめて知った、かんころというお菓子。 おもちとほしいもを混ぜた筒形のお菓子で、 ほんのり甘くもちもちしていて、とてもおいしいんです。 知人が森でおこした火であぶってくれたおいしさが 忘れられません。 そして今月の「たくさんのふしぎ」…

その地の食べ物を知る 平松洋子『日本のすごい味』

更新が遅れがちの7月、気長にいつも読んで下さりありがとうございます。 図書館で見つけたこの本。 表紙は今わたしが住んでいる長崎県の五島うどん! 食い入るようにみつめてしまいました。 関東にいたころは食べ物の特産品があまりなくて、 他県の方へのお…

こもる旅へ出たい 柊こずえ 早川茉莉『修道院のお菓子と手仕事』

あとどのくらいしたら自由に旅ができるのだろうか。 最近そんなことばかり考えています。 コロナの本格的なシャットダウンの前に引っ越しをしたので、 わたしはずっと慣れ親しんだ場所で暮らし続けているわけではありません。 だから今住んでいる場所にいる…

季節ごとに読み返す 飛田和緒『私の保存食手帖』

ずっと手元に置いてあって時折読み返すけれど、 いつもいつもは手に取らない本というのがあります。 この本も毎日毎日手に取ることはないのですが、 必要な時に近くにいてくれて感謝する本の一冊です。 季節ごとの保存食が美しい写真とわかりやすい工程で書…

久しぶりに出会ったしまちゃん 群ようこ パンとスープとネコ日和シリーズ

「面白かったー!」と時間も忘れてよみふけってしまう本に出会うと、本当に幸せです。しかもそれがシリーズだとさらに幸せが倍。 群ようこさん原作の「パンとスープとネコ日和」。テレビでご覧になった方もいらっしゃると思います。こちらには原作があって、…

コーヒーから学ぶこと 猪田彰郎『イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由』

たまたま出版社のHPを見て発見したコーヒーの本。わたしは基本的に紅茶を好んで飲みますが、この本を読んだらおいしいコーヒーが飲みたくなりました。 この本は、京都にあるイノダコーヒーで長きにわたり店長を務められた猪田さんの、おいしいコーヒーの入…

息抜き読書 枝元なほみ『サンドイッチ日和』+『私のサンドイッチ』

「この忙しい時期なのに!」 と思いながら、つい手にとってしまった2冊。少し前のことですが、すっかり魅了されて何度も読み返してしまい、おまけに購入も考えてしまうほど魅力的なサンドイッチの本に出会いました。 まずは桜が満開だった時期に、枝元さんの…

思いがけないごほうび時間に 山本ふみこ『台所から子どもたちへ』

月曜日の夕方、18時頃。思いがけぬ静けさが訪れました。 保育園でお昼寝をしなかった子どもが、自転車で寝落ちしてしまいしばらく起きなかったのです。こういう時、 すぐ起きる→ごはん? or 寝落ち→そのままごはんなし布団? となるかは悩ましい時間です。 こ…

はちみつ教です! 前田京子『はちみつ日和』

更新、すっかりご無沙汰をしてしまいました。 石垣モード?というわけではなく、4月からの新学期にばたばたしておりました。 気候が暖かくなるにつれ、春の身体は一気にデトックスモード。 様々な不調や気持ちの揺れやすい春。 そんな時頼りになるのは、やは…

石垣島へ② 辺銀食堂とぬちぐすいの旅

石垣島に到着。全ては辺銀食堂のこのサイトを参考にした旅のはじまりです。 colocal.jp 【きしめん 鍵】 まずはお昼ごはんを食べようと、空港から南へ移動。実はここ、のれんが見えるでしょうか?お店なのです。 一度通り過ぎてしまい、地図を確認して戻って…

石垣島へ① 小川糸『ようこそ地球食堂へ』

3月の頭に石垣島へ初めて旅をしました。 きっかけは家族が「星を見たい」と言ったことと、都内のマルシェで石垣のおいしいもずくが売っていて、それがとってもおいしかったから。 沖縄には10年前に行ったきり。暑いところよりも寒いところばかりに旅行する習…