hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

人の生きざまと台所 大平一枝『東京の台所』

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色々なひとの暮らす、家の中でも台所を取材した本と知り、

楽しみに手に取ってみた1冊。

楽しみな気持ちでワクワクと読み進めてみると、

単なる台所の様相を切り取った本ではなく、

ひとと台所と人生が結びついている、ひとの生そのものを

取材した本だとわかりました。

 

単に、「この道具がいいよ」「あの道具がいいよ」という本ではなく、

台所と持ち主の生活をからめて描かれた1冊は、

軽い気持ちで読める本ではなかった。

でも、だからこそ見えてくる人と台所の関係。

著者の読み取った台所と人との関係性は、

ただ人の台所を見るだけで終わらせない迫力がありました。

 

週末の軽い読書にと手に取った本でしたが、

自分の人生と台所の関りを考えて、

なんだか今まで使ってきた自分の台所と人生を

しみじみと見直したくなりました。

 

余談ですが、表紙の台所があまりにも

かつての友人の台所と似ていて…。

見るたびに友達のことを思い出すものだから、

今度彼女に会いに行くことにしました。

彼女は、新居を建てて引っ越したばかり。

新しい彼女の台所は、どんな様相だろう。