しばらく原稿書きが忙しくて、ブログを書けずにいました。
後回しにしている仕事もあります…。
片付けながらゆっくり更新します。
この本、書評などで見かけて読みたいなあと思いつつ、
図書館ではものすごい予約数で、あきらめかけていたところ
ローカルな図書館で見つけて借りられたので、
夏休みの間ずっと読んでいました。
作者の西さんがカナダで暮らしていた時がんが見つかり、
闘病した様子が主に書かれている本なのですが、
外国で暮らすことに関しても深い考察があり、
はっとする記述がたくさんありました。
それで、何度も手に取って読むことに。
がんが見つかった時のショック。
治療が進むにつれての身体の不調。
病院治療のアバウトなところだったり、
それによって家族の生活がどんな風に変わったか、
どんなにたくさんの人に支えられたかなど。
バンクーバーの病院と日本の医療の差や、
治療の内容も書かれてはいるのですが、
そこがメインというよりは、
がんになった著者の心や生活が良くわかる1冊でした。
それに加えて、外国で暮らすことで実は不快に思っていた
日本の暮らしのゆがみや、
子育てのしずらさについても時折触れられていて、
そのあたりがわたしには本当に、心にしみました。
違和感の存在を、西さんが文章にしてくださったことで、
それをちゃんと認識できたのです。
やっぱり作家はすごいなあ。
著者が看護師さんに言われた一言。
「カナコ、がんになったからって喜びを奪われるべきではない。」
それを普段の日本で暮らす人にも当てはまると、西さんは書いている。
「おばさんになったからって、喜びを奪われるべきではない。」
この言葉は、どんな人も主語にできる大切な言葉だと
私は強く思います。