hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

苦しくないごはんづくり 土井善晴『一汁一菜でよいという提案』

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少し前になりますが、この本に出会って、一汁二菜の夕食づくりが楽しくなりました。

 

主婦として料理をはじめたころ、母が持たせてくれた料理の本は、小林カツ代さんの本でした。季節の野菜が何かもよく知らなかったころだったので、月1冊にまとまっていて、旬野菜がわかるこの本たちには本当に助けられました。一週間で同じ食材を使いこなす献立が載っていたり、参考になることばかりでした。たれやドレッシングも作り方が載っていたので、「〇〇のたれ」などに頼らずにいられたのも、この本のおかげです。献立はメインに一品が多く、我が家の基本は一汁二菜になりました。

 

その後、何とか理想(?)のような一汁三菜を目指そうとするものの、わたしにはあと一品のハードルが高く、もう一つを作れない罪悪感をずっと感じていました。

ちゃんと作っているけれど、何か足りないような気分。特に実家の料理がしっかりしていたので、いつも努力が不足している感覚がありました。

そんな時に一汁?しかも一菜で良い!というこの本に出会い、気が楽になると共に、長いことあった罪悪感も消えていきました。

 

土井先生の提案は、「ごはん、汁物、漬物」を基本に据える、というもの。汁物は味噌汁。「それだけでいいの?」という希望が最初はあふれてきましたが、同時にその基本の3つがどれだけ大切かが身に染みました。(土井先生は本の中で、歴史も含めてなぜそれが大切かを説明していらっしゃいます)そして、そのごはんの基本が、人を作っていく。

ふつうのごはんの偉大さを実感し、食べることと命のつながりを意識した読書でした。