久しぶりにミニマリストの本を。
わたなべぼんさんの本、2冊目。どうしてコミックエッセイはこんなにおもしろいのでしょうか。作者のイラストの力量で、まるで部屋の中を写真でみせてもらったような、実録お片付けの経緯がとっても面白かった!
作者はお部屋にパートナーと住んでいらして、日々なくしもの、ごみ、ほこりにまみれて生きていらしたそう。でもあるときふと片づけてみたら、その楽しさに目覚めどんどん片づき、今ではきれいな部屋にお住まいなのだそうです。部屋がきれいになる工程には、本当に心の見なかったことにしていたことも明らかになっていくのが興味深いです。
料理が苦手だから、と買い込んだ料理本が占拠する台所。
できないままの英会話の教材ばかりがたまっていく本棚(これは耳が痛いです)。
どうでもよい食器ばかりをつかい、引き出物でいただいた素敵な食器は箱に入ったままの食器棚。
人が自分をどう扱っているか、というのは部屋とモノを見ればなんとなくわかる気がしてくるこの頃。作者も大事な食器を普段使いし始めたら、部屋だけではなく気持ちも整っていき、自分も大切にできるようになっていきます。できないことはあきらめ、少しずつできる範囲を丁寧にやっていく作者の姿から、勇気をたくさんいただきました。
明るくてすぐに読めてしまうコミックエッセイですが、片づけと心の関係をちゃんととらえているこの本は、自分を大切にするというプロセスがたくさんこめられているのがわかります。すっきり、読後感がとても気持ちの良い1冊でした。