年末の26日、ごちそうをたらふく食べた後に健康診断を入れてしまいました。。
病院のお供に選んだのはこの本。
たまたまながら、病院で読むのにぴったりな本でした。
数日前に、この作品が原作の映画予告を見ていたのですが、
この本が原作とは気づかず、読み始めてから気づきました。
予告で見たキャスティングを頭に思い浮かべながら読み進めました。
主人公の夫は、ある日突然失踪して、死んでから主人公の元へ帰ってくるところから
小説は始まります。
失踪した夫の好物が主人公の作るしらたま団子なのですが、
時折描写されるこのしらたまがなんともむしょうに食べたくなる描写だったので、
思わず本を読んだ後に、粉を買いに行ってしまうほどひきつけられました。
はじめに出てくるごまあんの白玉は、「ごまをあたる」ところから作られます。
「あたる」という表現が、とても丁寧に作られている様子をうかがわせて、
それがまた「ああ、食べたいなあ」という気持ちをそそります。
決して明るく楽しく食べ物をいただく小説ではないのですが、
白玉が作品の中でひっそりと大事な役割をはたしていて、
おいしさを味わうのに素敵な小説だなあと思います。
静かなひと時を味わいたいときにおすすめです。