hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

にほんの魔法 荻原規子『RDG レッドデータガール』

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雨がしとしと降る6月。こんなときはカラリと明るい小説よりも、少しけぶったような小説を読みたくなります。そんなときにはぜひ、RDG レッドデータガールを。

 

ジャンルとしては児童書になるのかな。数年前、勤務していた学校の図書館で見つけ、シリーズをあっという間に読破してしまうほどはまりました。高校生がおすすめしてくれていたのですが、「なんて面白い本を教えてくれたんだ!」と一人興奮しておりました。

 

まずは山伏という、日本古来の魔術がテーマになっていることにとても惹かれました。

魔法というとどうしても西欧のイメージが強く、児童書であまり日本の魔術を書いたものを読んだことがありませんでしたが、この本では日本の魔術に注目して、それらを生かして物語が成り立っています。そして、現代の子どもと大人が魔術と携わって生きているという奇想天外に聞こえる設定も、物語全体の筋が通っていて全く無理がないのです。長野、八王子など国内の具体的な地名からも、舞台が想像できて本当に楽しい。

 

主人公はちょっとどんくさい控えめな女の子なのだけれど、実は強い力を持っている魔術の世界では大切な存在。でも自分ではまだ能力がわかっておらず、そのあたりが全シリーズで描かれていきます。一度読み始めたら止まらないので、シリーズでそろえたり、借りることをおすすめします!