なんともカテゴリーに迷う本ですが…笑。
先週、藤堂志津子さんの桜ハウス3部作を読んでいました。
藤堂志津子さんの名前は、山田詠美さんのエッセイで何度かお見掛けしていました。
手に取ったのは今回がはじめて。
図書館で『ほろにがいカラダ』というタイトルに惹かれたところ、
3部作であることがわかって、一度に読み切りました。
主人公は女性の公務員、おばの残した一軒家を下宿のような形で運営することになり、そこに住む女性たちの恋愛、仕事を描いているもの。
3部作目は主人公が50代になるところで、年代的なことも含めて、
リアルな主人公の生きざまを追うように小説は進んでいきます。
寮母さんのような主人公ですが、彼女がほかの居住者に明かさない秘密の恋愛が描かれたり、それぞれ全く違う性格の、桜ハウスに住む女性たちの生き方がただ露骨に描かれていて、まるで人の生活を覗き込んだような面白さでした。
たとえて言うなら週刊誌でだれか有名な人の恋愛を追うような感覚です。もちろん存在する主人公ではないし、応援したくなるようなそんな感じともまた違うのですが、とにかく小説なのに実在する人たちのようでした。下世話な感覚ですが、それが面白くて引き込まれました。ちょっと疲れていたときに、現実逃避に適した一冊でした(笑)。