hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

シュールな親子関係 ほしよりこ『逢沢りく』

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軽い気持ちで読み始めましたが、けっこうヘビーだった本。

漫画ですが、親の一人として考えさせられます。

 

主人公はウソ泣きが得意。とはいえ、本当に自分で泣いたことはなくて、

なぜ人が涙を流すのかよくわからない子。

父母とも表面上は完璧な美しい家庭だけれども、父が浮気しているのを知っているし、

母はかなり無理している。それを主人公はわかっているのです。

 

あるとき母が突然主人公を大阪の親戚に追いやり、主人公はまるで異世界のような大阪弁の世界の中に放り込まれます。そこから嘘をついてなどいられないような状態になり、大阪弁の世界で本当に泣くことを知ります。

 

親子の関係もなんだかぞっとするのですが、きっと世の中に存在するのだろうな。

何より他人ごとではなくて、なんだか自分が嘘をついていることもあるのではなかろうかと、ちょっと怖くなりながら読みました。

でも、ただ怖いだけではなくて、さすが大阪弁のボケとつっこみがものすごく面白くて、子どもとの会話がおかしくておかしくて。そのタイミングの絶妙さになんとも説明しがたい面白さを覚えました。

 

あんまり元気が出なくて、現実逃避したいときにぜひ。

異世界と現実の間を行き来する感覚が味わえます。

 

スキマ時間を目に見える形に 浅倉ユキ『あな吉さんの主婦のための幸せを呼ぶ!手帳術』

 

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最近なんだかばたばたしているわりには、達成感がなくておちつかない日々を過ごしていました。夕方から夜にかけての用事がめずらしく連続であって、手帳に書くとそのことばかりクローズアップされて…。例えば会議が16時からだったりすると、その日一日その用事に支配されるような気になっていました。

 

手帳術はあまたあり、大好きなのでたくさん読むのですが、この本はヒットでした。

まずポイントは、

ー月間スケジュールをマス目のものではなく、縦軸のものにする

こうすることで、空いている時間が空白で認識されます

 

ー用事をふせんで書き出し、週間ページの横にふせんをはるスペースを設けておく

1wのうちできそうな日に予定をはりつけ、できなかったらまた別の日に貼りなおす

特に小さい子どもがいて予定が読めないときや、家族の予定で変動しがちな予定がある方でも「またできなかった―」と落ち込まずに済みます。

ちなみにふせんに書き出すのは、些細なことから大きなことまで。例えば、「付箋を買う」とか、「靴を洗う」だとか。そうしてふせんにすべてを書き出し、見える化して、時間軸などでわかりやすく貼り付ける。

そして自分がやりたい!と思ったことも、何もかも付箋に書き出して、専用ページに貼っておく。そうすることで願望を逃さずに、視覚でも確認できます。

 

重要なのはA5というサイズ。大き目の手帳を使うことで、学校からのプリントやお知らせなども一緒にファイリングしてしまうところがポイントだそうです。

 

本では6穴のバインダーを使うとありましたが、家にたまたま20穴のクリアファイルがあったので、さっそく作ってみました。(本当は最初のころはカスタマイズしない方がよいそうですが…)A5は大好きなサイズだったので、なんだか使いやすい。それにバインダー形式になったら、いらないページを撤去できます。

スケジュールはもともと20穴開いているMUJIの紙に、無料のテンプレートを探して印字。家にあるものでほぼ完成。使い心地は、最高です!

 

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まだ12月予定なので空白が多いのですが、朝昼晩の時間軸で予定を書き込めます。マスになれていたので、慣れるか不安だったのですが、やってみたらこのほうがわかりやすくて、すぐになれました。試した価値がありました!

 

問題は…すでに来年の手帳を買ってしまっていたこと。。どうするかなあ。きっと使わないなあ。 

「安い!」からではない買い物 共働学舎のトイレットペーパー

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我が家では日用品をストックすることは極力しませんが、トイレットペーパーだけは別。まとめ買い先はこちら。

 

kyoudougakusya.esy.es

 

ある友人から教えていただいて以来、ずっとここで注文させていただいています。

 

トイレットペーパーの買い物はかさばるので大変だけれど、宅配にしたら本当に便利でした。そして市販のを買うときについてくる、外側のビニールをはがすのが嫌いで…。これは素のまま届くので、ビニールごみがでません。そしてトイレットペーパー自体の加工段階もとてもやさしい。リサイクルにも貢献できます。

 

この買い物でうれしいのは、買うことがだれかの支援につながっているのを感じられるところ。どこかの大企業の誰かに利益が行くのではなく、作ってくれた方々に直接お金を支払うことができるこのシステムを、とても大切に思っています。支援というとつい身構えてしまう感じがありますが、トイレットペーパーは生活に必要なもの。必要なものと支援が結びついていたら、お互いにうれしいと思うのです。ドラッグストアの方が安いかもしれないけれど…安いから買うのではなく、その先を考えた買い物は、きっと良い循環につながっていくはず。

 

今回は初めて、

65メートル 芯あり50個(2050円) →130メートル 芯なし32個(2450円)(共に関東までの送料込み) 

に変えてみました。芯ゴミをトイレから紙ごみに捨てるのもプチストレスだったので、これで解消。ホルダーに収まるかだけが心配だったのですが、穴がしっかりあけられていて全く問題ありませんでした。量も50個から32個に減ったので、ストックしている箱にすべておさまるように。ますます快適になって、さらに買い物が楽しくなりました。

 

手放すもの 古い時計

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母が20代のころ使っていた時計。SEIKOの古いモデルです。デザインが気に入って、自分でも修理して20代後半から使っていましたが、どうも本格的に壊れてしまった模様。しばらく放置していましたが、小さなものほど片付いていないと気になるもの。重い腰を再び上げて、デパートの時計修理に見積もりをお願いしてみました。

 

調べていただいた結果、古いのでもう部品がないし、正常に動くようになるかわからないとのこと。たとえ修理をお願いしたとしても、途中で部品がなくなり、キャンセルとなることもあるとのことでした。

 

ここ数年大切にしていたとは言えない時計。修理は難しいようなので、手放すことにしました。今回は壊れているから、ごみになってしまいます。デザインが気に入っていたので悲しいですが、使っていないのでオブジェにしかならない…。

母はもう使っていなかったけれど、長く家にあったものだから、大切にしていたものだったのでしょう。一時でも引き継いで使うことができてよかった、そう思ってさよならをすると少し気持ちが穏やかになりました。

 

バッグのときも思いましたが、

バッグの行方 買い物の失敗談 - hon-nomushi’s blog

ブランドだから、古いから価値があるのではなくて「今、使える状態」であることが価値を生むのだと思いました。

 

 

気付くことからはじめる健康法 森田愛子『いつもの呼吸で病気を流す』

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呼吸…生きてからずっとしているからこそ、意識することのなかった部分。暮らしに瞑想を取り入れてから、呼吸の奥深さに驚いているところです(この話はいずれ…)。そんな時、この本に出会いました。

 

身体の不調はプロに直してもらうもの。例えば薬や病院、整体だとか。特別な食べ物とか。人の力をかりなければ、パーフェクトにはならないような気がする身体。そんな風に考えていた頃、自己治癒力という言葉に出会いました。それは身体本来のチカラを最大限に生かすことで、不調は改善するという考え方。

 

その言葉に出会ったころ、不調ならば薬を飲む暮らしから、根本的に変わっていったような気がします。特に呼吸は、自己治癒力と深く深くかかわっています。

 

呼吸の良いところは、気が付くとすぐに意識できること。この本でも、浅い呼吸こそ不調の原因だと書いてあります。特に日常では、つい力を入れてがんばることで呼吸が浅くなりやすいそう。冒頭に呼吸の浅くなりやすい行為がいくつかあげられていましたが、台所で野菜を切るときや、歯磨きの時にまで力んでいないかという指摘にはっとしました。そういえば、力んでいるかも…。

 

おろそかにしがちな呼吸ですが、特に道具が必要なわけではないので、いつでも気付いて深く呼吸をすればそれでOK!忘れていても、その場でその瞬間改善できるのが楽しい。そして自分ひとりでできることだから、とても楽です。

 

本文の中からどきっとした言葉を数行引用。

「自分の体力を無視するということは、大切な体をぼろぞうきんのように扱っているのと同じ」

「健康面だけではなく、どんな世界にも共通することだと思うのですが、結果を出す人というのは「日常を大事にできる人」だと私は思います」

 

気が付いたらちょこちょこ。深い呼吸と、力まない姿勢を意識していこうと思いました。本当はすぐにできること、自分ひとりでできることが、健康でいることと深く関りがあるのかもしれません。

 

 

 

 

 

水まわりの友 スポンジワイプ

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去年スウェーデンを訪れたとき、キッチン付きのアパートメントホテルに滞在しました。まるで暮らすように過ごせた素敵なホテルだったのですが、キッチンで一つ良い出会いがありました。

 

それはスポンジワイプ。ふきんよりも水分の吸収力がとにかく高く、けば立たず、すぐに乾くすぐれもの。そして、使わなくなったら土にかえるという偉い素材なのです。以前一枚だけ持っていたのですが、実は使い方がよくわからなくて放置。スウェーデンのホテルではキッチンに大き目のが一枚おいてあり、洗ったものをスポンジワイプの上に置いて乾かすことができて、とても便利でした。

 

家に帰ってきて早速使い始めたのが洗面所。我が家の洗面ボウルは少し小さいので、すぐに水がはねるのが難点。そんな時スポンジワイプは頼りになる吸収力できれいにしてくれます。おまけに、上の棚のガラス扉は指紋がとても目立ちますが、これもすっきり拭くだけできれいに落とすことができました。

 

なんで今まで使わなかったのだろう? 今ではキッチンのシンク拭き上げ時にも大活躍しています。水切りかごがもうないので、今後は洗った食器の下にひける大き目サイズを購入しようと思っています。

 

 

 

 

世界にはまる 小川糸『ツバキ文具店』

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今日わたしの住む街はお天気でとても気持ちの良い日ですが、この本はぜひ雨の日におすすめしたい一冊。久しぶりに手元に置いておきたい作品でした。

 

ツバキ文具店を営む主人公。亡くなった祖母から代筆やという人に代わって手紙を出す仕事も請け負っています。舞台は鎌倉。実際にあるお店もたくさん登場しますし、とにかく世界がリアルで、とてもフィクションとは思えませんでした。

 

夢中になってしまったところは、代筆した手紙のコピー(?)が挿絵のように本に収録されていること。代筆なので、人によって文字も違うのです。本文の世界だけではなくて、そういった細かいところにもとても惹かれました。手紙によって、ペンや筆も変えるのですが、その世界の奥深いこと…。作者はどれだけリサーチをしたのだろうと、感嘆してしまいます。

どっぷりはまってすっかり別世界へと移動した読書時間。近いうちにまた読み返してしまうだろうと思っています。