hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

今日の片付け 額をおろす

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我が家の階段スペース。4つほどの絵をジャンル別にせず集中して飾り、ギャラリーのようにしています。2階のプライベートスペースに上がるたび、好きな絵を見ることができてリラックスします。額は中身に合わせて飾るときに買っていますが、だいたいはIKEAIKEAができたときに一番うれしかったのは、それまで手に入らなかった素敵な額に手が届くことでした。それに種類も豊富!絵を飾るときはかならずIKEAをチェックします。

 

こうやって気に入って使っていたものですが、何となく数が増えすぎているような気がしてきたこの頃。特に写真の場所は、額をペイントし中身のモノトーンとバランスをとっていてとても気に入っていました。下の茶色の額は実家にいる頃、まだIKEAがなくてニトリで買ったものでした。上下のバランスも良かったのですが、やり切って満足したので、茶色の額は思い切って外すことにしました。外してみたら意外とすっきり。茶色の額は中身を出して、処分してしまいました。

そのほかにもリビングの写真たてを間引き。4つから3つに減らしました。ここも、何となく多すぎる感覚があって、間引いたらすっきりしました。

 

その時はベストだと思って飾っていても、その感覚は変化するもの。

今の自分に合わせて間引いたり、プラスしたり。

今はすっきりが心地よいので、間引くほうがどうしても多くなってしまうけれど、

今の自分に心地よい空間を作ることを、こつこつとしています。

 

今日の片付け IKEA子ども椅子→IKEAにリサイクル

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ダイニングテーブルを低いものにして、不要になった子ども用IKEAの椅子。下から撮影したものなので、ちょっとおかしな写真。なぜこの角度かというと、IKEAが不要になった家具を引き取ってくれるというサービスを開始していて、それを利用するためです。

 

撮影してメールをし、査定金額に納得できたら店舗に実際に持っていくというもの。

www.ikea.com

 

このサービスの良いところは、不要になったら引き取り先(出す先)があるという安心感で買い物ができること。今まで3,4回の引っ越しを経て、生活の変化によって家具を買い換える必要が出てくることは経験済み。生活の変化に柔軟に対応できるように、不要な時の出る先を考えて買い物をするのは、とても大切だと思います。

 

さて、撮影し査定金額のメールを受け取り、提示されている期限までにIKEAに持ち込みます。今回は小物だったので、車で運搬も可能。カウンターに持ち込むと、有効期限のあるプリペイドカードに、査定した金額を入金してくださいました。

 

和室に置きっぱなしだった椅子、他の古本や洋服もすっきり片付き、ちょっとほっとしたところですが、まだ次の片付けが残っていました。次は大物、IKEAのソファ処分が控えています。こちらもできればIKEAに持ち込みたいのですが、残念ながら大型家具のため自家用車では運搬が難しい。近くのリサイクルショップからの連絡を待っているところ。年内に片付くとよいのですが。

 

 

抱きしめたくなる料理の本 有元葉子『「使い切る。」レシピ』

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図書館でしばらく素通りしていたのですが、タイトルにひかれてつい借りてしまった本。これは大正解でした。

 

この本が大好きと思ったのは、まず「捨てる」ことが前提とされているもので、おいしいものがたくさんできていること。冒頭のレシピ、しいたけの軸ブルスケッタがおいしい!誰に言われたわけでもないのに、捨てることが当たり前になっていたしいたけの軸。それが本当に立派な、しかも何度も食べたくなるくらいおいしい食べ物になっていることに、心から感動しました。他にヒットは大きなレモンをたっぷり入れて、はちみつを好きなだけ入れるイタリアンレモンティー(本の中でこんな名前がつけられていました)。大きなレモンをスプーンでがしがし潰していただきます。このおいしさもまたまた感動で、分かち合いたくなるほどのおいしさ。家に来てくださった方たちにもどんどんご紹介しています(これははちみつがポイントのよう。メープルシロップだとなんだか違うのです)。

 

1つ1つのレシピが驚きに満ちていて、常識が揺さぶられる面白さ。それが味覚という5感にダイレクトに働きかけるものだから、面白くて面白くてすっかり夢中で試しています。嬉しかったのは、有元さんのほかの本で知りたいと思っていた、鶏一羽をキッチンバサミでさばくやり方が写真付きで紹介されていたこと。これもまた、もうすぐ試せるので楽しみでしょうがありません。

 

こんな風に素直にたくさん試してみたいと思わせてくれる、わくわくに満ちた本。それに「使い切る」ことが片付けと似ていて、料理をしたあともすがすがしくなれるのです。「作る、食べる」まではどんな料理本も載っていますが、そのあとの片付けにも生ごみにもすがすがしさを感じられる本は、なかなか出会いません。

 

うれしさに小躍りしながら、購入してページをめくる楽しさ。2018年はわたしにとって「使い切る」面白さに目覚めた1年となりそうです。

ちょっと怖い子育て 辻村深月『クローバーナイト』

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いやいや、恐ろしい小説でした。とはいってもテーマは保活なのですが…。

保活なのに恐ろしいとは異常ですが、その異常さがよくわかる小説でした。

 

保育園に入るために偽装離婚を企てたり、保育園に入ったら入ったで超高級誕生会をしなければならなかったり、お受験で村八分にされたり…。生きにくい要素が満載に描かれている子育て世代の話がたくさん…。もちろん小説なので、ノンフィクションではないけれど、多分にノンフィクションの要素があるのではないかな、と推測できるところがまた怖い。

 

多分当事者じゃなかったら冷静にいられると思うのですが、巻き込まれていたら自分の立ち位置を見失いそうな狭い世界の様子。離れて客観視することができたら、きっと異常さに気付くと思うのですが。そう思えたのも、この小説を読んで客観視できたからかな。

 

そんな世界の中で救いなのは、主人公の夫の存在。主人公の夫は子育てに協力的で、とにかく夫婦でたくさん会話をしています。子育ても、もちろん一緒にしています。核家族で子育てをする家庭が多い今、いろいろなことを共有するという部分が一番求められているナイトの要素だと感じました。時代によってナイトの役割は変わりそうだけれど、怖い中に夫婦の何気ない会話も含まれていて、そこにちょっとほっとした読書でした。

 

 

 

今日の片付け 寝る部屋のあかり

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久しぶりの片付けカテゴリー。まだまだ、捨てたり入れ替えたり。記事を書いていない間も、小さいものをごそごそ整理中です。

 

今週はだいぶ年季が入ってきたソルトランプを買い換えました。元は授乳時に明るすぎないランプを探していて、プレゼントしていただいたもの。今は専ら寝室の読書時間に使っていました。

 

我が家の寝室は頭側にコンセントがあり、差し込んだまま寝てしまうこともよくありました。ところが先日電磁波のコンサルタントを受けたときに、「使わない電化製品のコンセントは抜く」ことが大切と教わり、実践してみるものの…。コンセントまでの距離が少しあったり、眠くて忘れてしまうことが多々。主な使い道の読書灯としても、明かりが不十分だったので、これを機に買い換えました。

 

新しい明かりはパナソニック、ランタン。ずっと探していたランタンタイプにしました。こちらのブログで気になり、電気屋さんで実際の大きさを確かめて買いました。

www.cozy-nest.net

 

電池式なのでわざわざコンセントを抜く必要がなくなり、前のソルトランプよりも明かりが強いのが良いです。2段階ある明かりを強いほうにすると、夜の読み聞かせ時にしっかりと頼れる明るさ。軽くて移動させるのも簡単、2つあるどちらの布団で本を開いても、近くに持っていくことで見やすく読みやすくなりました。

 

我が家ではまだまだ不十分な災害時の備えとしても、役に立つ良い買い物ができました。

ソルトランプはたまたま近くでバザーがあったので、出品。ワンイン、ワンアウト(一つ買ったら一つ捨てる)の法則で、小さなものでも家の中のものをなるべく増やさずにいます。

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普通に?生きること 吉田修一『横道世之介』

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前回のブログ、小川糸さんのエッセイにこの本のタイトルがあり、早速読んだもの。

おもしろいのは役に立つ教訓やら、そんな感じのことは全く書かれていないのに、読後感がなんとも味わい深いのです。「普通に生きる」ことはどういうことなんだろうと、つい考えてしまう作品でした。

 

主人公はタイトルの世之介。舞台は世之介が田舎から上京して、都内の大学に通うところから始まります。大学一年生…。私にも覚えがありますが、大人になったような状態ですがまだすねかじりの、そんなたいしたことはたいていしていない時代…(もちろん違う方もいらっしゃると思うけれど)。サークルに入ったり、車の免許を取ったり、授業をさぼったり。

 

そんな平和な世之介の青春からふと離れて、時々世之介の出会った人たちの数年後の様子が描かれる場面が挟み込まれています。それを読んでいると、世之介という存在が周りの人たちにどこか影響を与えていて、関わった波紋のようなものがその方たちに浸透しているのがわかります。

 

世之介は決して大したことはしないのですが、それでも人の心の中に確かに生きていた跡を残していくのです。大した影響を与えないと思っている普通の生き方をしている人が、人と関わる時間や出会ったことだけでも、それぞれの記憶に残り、そのあとの人に波紋を与えていく様子が絶妙でした。

 

そんなことを思っていたら、最後にこの一文が目に入ってきました。

「今からちょうど一年前、大学進学のためにここ東京へやってきた十九歳。この一年で成長したかと問われれば、「いえ、それほどでも……」と肩を竦めるだろうが、それでもここ東京で一年間を過ごしたのは間違いない。」 

 

人と出会うこと、その場で時間を過ごすということ。大きな影響を与えたり与えられたりした方だけではなく、いろいろな方と出会ったことだけでいい。人との出会いでそれだけを 大切にしてもいいのではないか、とこの小説を読みながら思いました。

 

 

エッセイ+小説のサンドイッチ 小川糸『喋々喃々』

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先週、図書館にて小川糸さんのエッセイをなぜか大量に借りて、読んでいたところすっかり著者のエッセイにはまってしまい、小説までよみふけっている最近です。

 

エッセイ→小説→エッセイ、と幸せなサンドイッチ読書をしています。

思えば小川糸さんの小説はたくさん手に取って大好きでいるのに、

世界にはまる 小川糸『ツバキ文具店』 - hon-nomushi’s blog

すべてが満たされるー小川糸『つるかめ助産院』+『これだけで、幸せ』 - hon-nomushi’s blog

全てを刊行順に読んでいなかったという。

何となくタイミングが合ったのでしょうね。

 

映画にもなっている『かたつむり食堂』でのデビュー時から始まっているエッセイの刊行ですが、その次2作目の『喋々喃々』を初めてエッセイの中で知り、読み始めました。著者は普段の生活がとても丁寧な方だと思うのですが、それが『ツバキ文具店』だけでなく、この作品にも余すところなく生かされていました。料理を丁寧にしたり、掃除を清める意味を込めてしたり。そのすべてが小説の色々なところに生かされているのを、全ての作品を通じて感じ取ることができます。今回の主人公はリサイクルの着物店を営んでいるのですが、着物の背景もとても丁寧に描かれていて、本当に勉強になりました。

 

主題は、主人公が妻子ある男性と恋に落ちる様子が丁寧に描かれているところだと思うのですが、舞台になっている谷中の雰囲気も捉えられていて、自分も住んでいるかのような感覚が得られるほど。

読んでいる間、何度も別の世界にトリップしているような引き込まれる感覚が強くありました。なかなか普段の生活に戻れないような…。

 

普段は音楽を聴きながら本を読むことはあまりないのですが、たまたま好きな映画「Drive」のサントラとこの本がとても合ったので、何度も音楽を繰り返し聞きながら、世界にひたっていました。

www.youtube.com

音楽とともに、主人公の世界にしっかりはまりました。別世界に行くことができるのは、しっかりとした小説のチカラがあるから。幸せな読書でした。