hon-nomushi’s blog

人生の友になる本、片付け記録や毎日のつれづれ

(番外編)映画 ランダムハーツ

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まだ実家で暮らしていた大学生の頃、初めて自分用のノートパソコンを買いました。

SonyVAIO。今のようにタブレットスマホがない時代でしたし、機械関係にうとい実家では、家族と一緒にテレビを見るしかなかったので、ひとりで映画を見るというのはあこがれでしかなかったことでした。

 

それが自分だけのパソコンを手に入れて、DVDを見た時のうれしさといったら!

初めてパソコンでみたのが、このランダムハーツでした。そのころから20年近く経ちますが、数少ないわたしのDVDコレクションに今でも残っている作品です。

 

この映画の何が好きか…。普段本に関しては好きだと思ったポイントをわりと言葉にできる方ですが、この映画に関しては、上手く言葉にすることができません。女優さんもとても好きだし、衣装もすばらしいし、音楽もインテリアもパーフェクト。物語の筋も、何度見ても飽きないほど惹き付けられるのです。しいて1つ取り上げるとすれば、映画の中の世界だといつも思えず、本当に主人公たちが実在するように感じることでしょうか。

 

なぜか個人的には暑い夏に観たくなることが多く、そして冬にもまた、よく観ます。映画の中でも季節や主人公たちの時間が春ごろか秋ごろから始まり、冬を迎えるのですが、時間の移り変わりが良く描かれていて、映画の中なのに時間の流れを感じられる作品なのです。

 

先日もまた同じ映画を観たばかり。どうしてもはっきりと言葉でお勧めすることができなくて、なのにblogで紹介してしまうのですが…。それほどわたしにとって大切な完成された映画であるということだけはお伝えできると思います。

 

余談ですが、この映画が映画館で上映されていたころ、映画館でアルバイトしていた知人がいます。あるとき好きな映画でランダムハーツの話になったのですが、「なぜこの映画を観たの?」と驚かれました。知人の映画館ではあまり売れなかったそうです…。万人受けする映画ではないかもしれませんが、興味を持たれた方にはぜひ。そしてわたしのように何度も観るリピーターになられたら、ぜひご連絡くださいね。

新たに出会う児童文学 V.ハミルトン作『わたしは女王を見たのか』

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子どもと一緒に図書館をうろうろしていて、児童文学コーナーで見つけた1冊。

タイトルがとても印象的なので、わたしが子どもの頃から目には入っていたのですが、

この独特な絵の美しさが当時はわからず、読んだことのない作品でした。

 

始めて作品を読んでみて、今この作品を読むことができて、そして子どもの頃はわからなかっただろう作品の良さを見つけられるようになっていて、本当に良かったと思いました。

 

主人公の姉妹は夏休み、おじさんの家で過ごすことになりました。2人だけの冒険を特別なものにしたいと、2人はおじさんの家では互いに別の名前で呼び合うことにしました。ある夜、外で眠っていると女の子は表紙に書かれている白い洋服の女性を見かけます。現実なのか幽霊なのか、恐怖におびえながら、女の子は女性の正体を探ります。そして、偶然おじさんの納屋で見つけた古い雑誌の中に、アフリカの女王の写真を見つけるのですが、それが白い洋服の女性にそっくりだったのです。女の子は女性を女王だと思い込んで、彼女のことをより知りたいと探り続けます。

 

すばらしいと思ったのは、夢見がちな主人公の女の子が現実と向き合った時の様子です。最後の数ページですが、夢から現実へ着地するその描き方がとても自然で力強く、無理がないのです。夢の中にそのまま主人公を置き去りにするわけでもなく、かといって辛い現実と向き合わせるわけでもなく、主人公が新たな現実への向き合い方を得る過程を丁寧に描いています。わたしは読書後、ラストのすばらしさでしばらくぼーっとしていました。これは大人になった今だから、わかったすばらしさかもしれません。

 

本と人には出会う時期が必ずあって、はた目ですれ違っていても交わらない時期もある。だけれども、いつか出会うべき作品は必ず手に取る時期が来るのだと思います。気になっている本だけれども、まだ手に取っていない本とは、きっとどこか最善のタイミングで巡り合うのだと思います。わたしにとって、この本はそんな出会いの本でした。

6歳、ゾロリの合間に読むお話 角野栄子さく 西川おさむえ『ハナさんのおきゃくさま』

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子どもが小学1年生になり、毎週水曜日に近くの図書館へ行きます。引っ越したこともあって、歩いて、または自転車で行ける距離なのがうれしい。

しばらく休館されていたあと、再び図書館に通えるようになって、生き返った気分です。わたしの人生に図書館は欠かせない…笑。

 

子どもはもっぱらゾロリとめいろにはまっていて、次から次へとゾロリを読み、それにプラスしてめいろと紙芝居(主に恐竜のおはなし)を借りています。

 

とはいえ、まだまだ読んでもらうことが主。うちの子どもは文字をあえて教えない保育園に通ったので、文字を読むことを習いだしたのは最近のこと。まだ自分ではすらすら読めないので、読んでもらうことの方が楽しいみたいです。親もゾロリを読むので、1冊読むと「はー」となりますが、ここは踏ん張り時。でも、いつもそれだけだとつまらないので、合間に親も楽しめそうな物語を差し込んで借りてきています。

 

そして子どもも寝る前は、こういった差し込み本を読んで欲しがるのが不思議です。

最近、音読して気持ち良かったのが角野栄子さんのこの本でした。

ハナさんは子どもが独立して、一人暮らし。森と街の境目にある家に暮らし始めました。森からくるお客様はとっても不思議な人たち。はなさんは、お客さんに遠慮なく怒ったり、受け入れたりして、お茶とお菓子でもてなします。

リズムでしょうか、文字の間隔でしょうか、とにかくこの本は音読するのが楽しくて、内容も素敵なのだけれど、本当に気持ち良かったのです。現実と夢がまざりあったような、でもわざとらしさのない素晴らしい物語で、寝る前にぴったりの内容に、毎回わたしも子どもも満ち足りて眠りました。

 

子どものために選んだけれど、結局自分の大好きな本になりました。新しい本に出会えるのも、子どもと一緒だからこそ。ベッドタイムストーリーに、ぜひどうぞ。

 

 

 

 

 

 

ものを見つめなおしたくなる ドミニック・ローホー『99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる』

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大好きな片付けの本たちを読むと、心がうるおったり楽しくなるので、

わたしの読書には欠かせないジャンルの本です。

 

そのジャンルの中の好きな作家のおひとり、ミニマリストであるローホーさんの本を読むと、ものを減らしたくなるというよりも、いつも手に取っているものが自分にとって大切なものなのか、わたしの生活に大切な欠かせないものは何かを、考えたくなります。

 

この本はローホーさんの愛用しているもの、99のものたちが美しい写真とともに載せられていて、どれも美しくミニマムなものばかり。そしてすべてが実用的に日々の生活の中で使われているのがポイント。「とっておいている」ものが1つもないのです。

 

もちろんテーマが99としぼられているから、「とっておく」という視点のものは掲載されていないのはもちろんですが、ものは活かされて愛されているからこそ生き生きとしているのだと、再確認させられます。

 

ミニマリストだから、とものの数だけに焦点を当てて、1つ1つ厳しく数えたものではなくて、例えば食器類、などとまとめられている所もなんだか好きでした。

数にこだわることよりも、ものをどう活用していくか。

ものを生活の中で、どう活かしているか。

それを中心にして本が組み立てられているように思いました。

 

なかなか書き出す機会はないけれど、わたしも大切なものをリスト化してみようかな、とチャレンジしたくなりました。機会があれば別blogで取り上げてみようと思います。

 

わたしの別blog↓

yonigestyle.hatenablog.jp

しばらく前からお片付けのジャンルは、こちらで書いています。

久しぶりに出会ったしまちゃん 群ようこ パンとスープとネコ日和シリーズ

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「面白かったー!」と時間も忘れてよみふけってしまう本に出会うと、本当に幸せです。しかもそれがシリーズだとさらに幸せが倍。

 

群ようこさん原作の「パンとスープとネコ日和」。テレビでご覧になった方もいらっしゃると思います。こちらには原作があって、テレビと同じタイトルの『パンとスープとネコ日和』から始まり、

2『福も来た』

3『優しい言葉』

4『婚約迷走中』

5『今日もおつかれさま』

の計5冊があるようです。

 

以前2番目の『福も来た』は読んでいたのですが、その後の続編についてはチェックしていませんでした。この前購入した『キラキラ共和国』の中に入っていたパンフレットを見て続きがあるのを知って、図書館でまとめて借りてきたのです。ただ続き物ならではですが、順番に読みたいのにタイトルには「-パンとスープとネコ日和ー」のようなわかりやすい番号がついていませんでした。それで、こちらのサイトを見て助けていただきました。

fifteenthousandsteps.com

 

5冊すべてを一気に借りて読んでいましたが、続きもなんて面白いことか。テレビの世界も知っていると登場人物のイメージがわきやすくて、そしてあまりに原作とテレビの世界がマッチしているので、もう楽しくて楽しくて!読書が止まらず、寝る時間も惜しんで笑いながら読んでいました。続きのお話でも、主人公のお店は健在だし、しまちゃんも変わらず大切な右腕として活躍していました。

 

今回わたしが読んだときは、主人公のお店の前で長く喫茶店をやっている女性のマスターの存在が心に残りました。ぶっきらぼうで一見愛想がないけれど、主人公のことをちゃんと見守っている素敵な女主人。本の中の方だけれども、自分もあんな風に仕事をしてみたいと思いました。

 

テレビでもこのシリーズをお好きだった方はぜひ、読書で主人公たちのその後を楽しんでみてください。我を忘れて読書に没頭してしまうこと、請け合いです。

文庫版を買いました 母の日に再びー小川糸『キラキラ共和国』

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長崎は少しずつ、日常が戻ってきています。先日、久しぶりに開いた本屋さんに行ったらなんと楽しかったこと!ぶらぶら知らない本を探したり、新たな惹かれる本に出会ったり、こんな時間が必要だったと心から思いました。

 

購入したのは『キラキラ共和国』の文庫版。

hon-nomushi.hatenablog.com

この時から大きなサイズで持っていましたが、引越し後に本を減らしている今、出来るものは電子書籍にしたいと思っています。ないものはせめて文庫サイズに買い替え。この作品はまだ電子化されていないので、文庫になりました。

 

ずっと持っていて知っている作品のはずなのに、再び読んだら面白くて面白くて!

一日中主人公のぽっぽちゃんを追ってしまいました。

 

ぽっぽちゃんは鎌倉でおばあさんから引き継いだツバキ文具店を営んでいますが、同時に代書屋といって、様々な事情から手紙を書きたいけれども上手く書けない方たちからの依頼で手紙を書く仕事もされています。

 

特に冒頭ではこの代書の依頼が、お母さんに手紙を書きたい男の子からのもので、ちょうど母の日が次の日だったこともあり、涙しながら読みました。そしてぽっぽちゃんと実の母との関係も複雑なことがお話の中に語られていて、偶然母の日に再読できたことにタイミングの良さを感じずにはいられませんでした。

 

舞台は鎌倉。あの場所の雰囲気が本に満ちているので、鎌倉に行きたいと思う方にもおすすめの一冊です。

そして、母の日がちょっと重く感じるわたしのような方にぜひ読んでいただきたい一冊です。

 

 

それぞれに響くことば 田中のりこ『暮らしが変わる仕事』

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図書館が完全閉館する前、ふらりと立ち寄った時に目に入った一冊。その後の閉館を知らずに借りて帰りましたが、こもり生活にあってよかった1冊でした。

 

この本は、パン屋さんやアクセサリー屋さん、皮製品製作のアーティストなど、自分で仕事をし生きている女性たちにインタビューをした本です。

どうやって今の仕事に出会ったのか、生活はどのようにされているのか、自分の生活についてなど。それぞれ異なる仕事やバックグラウンドをお持ちの女性たちばかりなので、それぞれの物語を読むように楽しんで読書が進みました。

 

同じ本を手に取った家族が、

「この本はグランジュテみたい」と言って、その通りだなあと腑に落ちました。

 

グランジュテとは、NHKで以前放送していた女性を主人公にした番組で、その方の人生や仕事をまとめたものでした。放送されているとき、大好きで毎回楽しみに見ていました。中でも今はない福岡の靴屋さんが紹介された回を今でも覚えていて、グランジュテをきっかけにそのお店に通うようになったのでした。今はもう見られないかな?アーカイブはネットのどこかにありそうですね。

 

この本も、グランジュテのように一人が主役の章がたくさん重なり合っていて、読んだ後にたくさんの人に出会ったような、そんな感覚になりました。なにより主人公たちの人生が多様なので、読んだ人それぞれに響くことば、響く箇所がきっと違うと思うのです。何度も読みましたが、わたしの自分のコンディションによっても、日々響くことばが違いました。多様な出会いがこの本の中に込められていて、大切に読み返していました。

 

今は自由に人と会えないときだから、そんな時こそこの本の中のような方たちに出会えたことがうれしくて。本の中のたくさんの出会い、今こそ響くのではないかと思っています。