hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

4年生の読書 ハリー・ポッター

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10歳になったばかりの時に、子どもが親しくしている友人から

ハリー・ポッター第1巻をいただきました。

その後しばらくはこのボリュームだし、手に取らずにいましたが

夜少し読み聞かせをすると、自分で読み出しました。

 

それからはあっという間。

ほんとうにおもしろかったらしく、

お誕生日にいただいた図書カードは

すべてハリー・ポッターにつぎ込み、

次から次へと借りたり買ったり。

3ヶ月ほどで全てを読み切っていました。

同じ学年の子もなぜか同時期にハリーポッターにはまっていたとのことで、

ふたりで盛り上がっていたそうです。

 

長い物語を読めるようになってくれて、

本当にありがたくうれしいことです。

1年生の頃の長く厳しい読み聞かせがうそのよう。

 

本には直接関係のないことですが、

わが家は彼の希望で犬を迎い入れたため、

気持ちの面で、生活の面で大きな変化がありました。

今後、本との触れ合いはどうなるかな。

少し本を読む時間が減るかもしれません。

 

5年生はどんな本に出会っていくのか。

今年はオンタイムで記録できたらいいな。

 

(お知らせ)読書検定に入賞しました

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今日は本の紹介はお休みして…。

少し前のことですが、読書検定というのに応募をしたところ、

準優勝大会委員共感賞というのをいただきました。

(遠矢というのがわたしのペンネームです)

 

読書検定というのは、気に入った本のフレーズを

理由と共に書き出して紹介するというものでした。

 

このブログを書いているくらいだから、

本との出会いはたくさんたくさんしてきました。

けれどもその時の旬な気持ちを大切にしたくて、

『エーミールと三人のふたご』から一節を選びました。

ケストナーへの深い愛 ケストナー『エーミールと三人のふたご』 - hon-nomushi’s blog

書いた原稿は、このブログに書いたことと

ほとんど変わりません。

 

うれしかったです。賞状までいただきました(笑)。

5000円の図書券は、

須賀敦子全集(文庫)の揃っていない巻を

購入させていただこうかな!

と思っています。

 

 

 

洋服よりも台所道具 土切敬子『おしゃべりな台所道具』

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わたしはデパートに行くと、洋服を見に行ったはずなのに

つい上の方のキッチン用品をふらふらと見てしまう習性があります。

台所の道具が大好き。

だけど、道具がいっぱいあるのは苦手。

だから、厳選されたものだけ家にあればいい。

けれども、「厳選された」ものの分母(ものの知識)が増えるのは大歓迎!

だから、ついキッチン道具を見てしまうのです。

 

なんで台所の物を見るとこんなにわくわくしてしまうのか。

間違いなく趣味の領域に入っているとは思いますが、

それともう一つの趣味、読書が重なり合った本を見つけたら、

わたしが読まないわけがありません。

台所道具ツチキリさんのお店は、

ほぼ日から知りました。

そして、道具の本を見つけたときはホクホクしてしまいました。

 

モノを選ぶとき、わたしは間違いなく理論的に考えるタイプです。

今まで使っていたものの不満をどうやって解消していくか。

それを文字で説明してくれると、

もう今にも使いたくなってしまうのです。

ツチキリさんの説明を読んで、そのものの

どこがいいか知ってしまうと…

あらゆるものが素敵に見えてしまう。

困った、困った。

 

今、わたしのキッチンにはそれなりに物があります。

あふれてはいないけれど。

家族の単身赴任が終わって、

本当のうちのものの量がわかりました。

ほんとうに心地よいもの、

今自分が使っていて不満がないもの。

そんなものばかりの台所にしたい。

それが今年の目標です。

 

ものの総量は多くしたくないから、

買うとしたら入れ替える?

本を読んで、心が揺れています。

 

ドラマから興味を持って カリン・スローター『彼女のかけら』

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読むのに少し時間のかかる本のご紹介が続いています。

『彼女のかけら』。

以前Netflixで見たドラマの原作です。

人は身近な人のことを本当に全部理解しているのだろうか?

知っているのだろうか?

という問いかけが恐ろしく、胸に突き刺さる小説でした。

 

主人公はもうすぐ30代の冴えない女性。

母と一緒にレストランで食事をしていたところ、

銃乱射事件に巻き込まれます。

そこで自分も狙われるのですが、

なんと普通の主婦だと思っていた母が犯人と対峙したことで、

母の知らなかった一面を見せつけられることに。

そこから危険な目にあいながら、

母のたどってきた人生を紐解いていく小説です。

 

人は隣にいる人のことを、どれほど知っているのだろうか?

そんな問いは常に人間関係にはつきまとっている気がします。

ましてや家族は近しい存在だけれども、

どれほど家族のことを知っているのだろう…。

実は全く知らないのかもしれない。

それが怖いことではなくて、

その人を知ることの深さ、怖さ、面白さを

描いた作品だと思います。

 

ある程度ドラマで先を知っているはずが、

小説が面白くて止まりませんでした。

結果寝不足…。

楽しいハッピーになる小説ではないですが、

時間のあるときにぜひ読んでみてください。

深い感動につつまれる読後 ラーラ・プレスコット『あの本は読まれているか』

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読み終わった後の静かな感動を、どう表せばいいのだろうか。

長い登山を終えて、そして下りきった後にも美しい景色が待っていた。

そうお伝えしたらこの本のすばらしさをわかっていただけるだろうか。

 

たまたま新しい職場の図書館で出会った本だけれど、

きっと今まであまり手に取られることはなかったに違いない。

結構なボリュームのある本だから。

けれど、まるで山頂の美しい景色を見た途端、

長く苦しい道のりを忘れてしまうように、

読んだことを全く後悔しない本であることは間違いない。

 

この本はCIAがソ連で禁書となっている本をわざわざ西側諸国で出版し、

それをソ連内で配布し人の意識を変えようとする作戦が元になって

書かれている物語です。

もちろんフィクションだけれど、あとがきを見ると

実際にそういう意図で配布された本があったようです。

ただ作戦そのものではなく、

その本の作者と愛人、そしてCIAで活躍する女性たちに

光が当てられています。

 

このCIAで働く女性の描写がとにかくすばらしくて、

読後の今でも私のなかで生き生きと本当に存在する人のように

感じられるのです。

秘密作戦から仲良くなった職員の女性たち。

特に親友のようになり、やがて互いを愛するようになった2人の様子。

大きな作戦の裏にいた女性たちの活躍。

本の内容を思い出すだけでもう一度この世界に浸りたくて

ため息が出てしまう。

 

実際、この本が発売される前から版権を争って、

たくさんの出版社が名乗り出て競い合ったそうです。

 

どうぞ出会ったら徹夜覚悟で、

ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

 

4年生の読書① 江戸川乱歩 少年探偵シリーズ

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もう子どもは5年生になってしまいました。

でも振り返りで4年生の読書を記しておこうと思います。

 

4年生の最初、大好きだった図書館から遠く離れてしまって、

とても残念がってあまり本を読まなくなっていました。

けれど近くの同じ小学校を卒業した子に、

「少年探偵シリーズ」を進めてもらってからは、

図書館通いが復活。

山のように乱歩を読んでいました。

 

同じ学校の先生もたまたま少年探偵がお好きで、

本をお借りしたり色々しながらすっかりはまって過ごしていた彼。

4年ともなると様々な本を借りるもので、

大人の本にも少し手を出したり、

わたしがわざと椅子に置いておいた本を読んだりして、

うれしいことに2人で読書する時間もたくさん増えました。

 

特に去年は2人暮らしだったので、

夜テレビをつけないわが家では

夕食後は静かに読書の時間となりました。

お風呂まで、わたしの最後の家事時間の間、

ずっと静かに本を読んでくれたのはありがたいことでした。

ほんとうはわたしも家事をせず本を読みたかったなあ。

 

とはいえそんなこんなで乱歩から始まった4年生の読書。

しばらく振り返りの記事を続けておきます。

 

大人のためのファンタジー ジュディス・ロッセル『ステラ・モンゴメリーの冒険①②③』

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子どもがハリーポッターにはまっているので(5年生のはじまり)、

ファンタジーの棚によく行くようになりました。

そこでみつけたなんだか地味な表紙の(失礼?)本。

今、3部目を読んでいます。

面白いです。

 

主人公のステラは母を失くして、父親はわからず。

いじわるで病気がちなおばさま3人が様々な療法を試すために、

国内を旅してまわっています。

けれども①で徹底的におばさまたちから嫌われ、

②ではいとこたちと家庭教師から学ぶように追い払われ、

そして③では母もおばたちも入学していた名門の学校に入れられます。

 

学校の厳しさは、時代もあって本当につらいもの。

そして寄宿学校だから、夜も昼も規則でがんじがらめ。

そう考えると学校は結構進化してきたのでは?なんて

ついそんなどうでもいいことを考えてしまいます。

 

実は主人公のステラは身体を消すことのできる

特別な能力を持っています。

確かに、特別な能力ではあるのだけれど、

彼女自身は先生の横暴に困ったりしていて、

特殊な能力があるからといって、

人生の困難からは逃れられていない模様。

そんなさりげない特別な能力の描き方が

すごくいいなあ、と思っています。

 

子どもの頃は何でも解決できる幸せな魔法が好きだったけれど、

魔法を持っていても困ったり悩んだりする。

そんな姿があるからこそ、

現実に生きる大人にもすごく親近感をわかせるのではないか、

と考えています。魔女の宅急便のキキのように。

 

さて、今後この主人公はどうなっていくのかしら。

まだ最後まで読んでいませんが、

もし①を見つけて借りたとしたら、ぜひ③まで借りておいてください。

続きが読みたくなること、請け合いです。

 

みなさま、良き週末を!