ケストナー作品と出会ったのは小学生の頃。
夢中になって読んだ『ふたりのロッテ』、もちろん『エーミールと探偵たち』も!
なのにこのふたごの本だけは、今まで読んだことがありませんでした。
良く通っていた図書館になかったのかしら?
でも、このタイミングで会って本当に良かった。
今回も『エーミールと探偵たち』と同じ登場人物が
たくさん出てきます。
今回の読書で気づいたのは、
こんな大人が周りにいてくれたら、と心から思う人たちが
たくさん描かれていること。
そして大人のような子どもも、たくさん描かれています。
大人に気遣ったり、やさしさがあったり、
すてきな子どももたくさん登場しています。
でも今回一番しみた言葉を発したのは、
エーミールのおばあさんでした。
以前もベルリンに住む魅力的なおばあさんは描かれていましたが、
今回はお母さんの再婚に悩むエーミールに大切な助言をたくさんしていました。
でも、もちろんそれだけではなくて、
彼女自身のセリフが心にしみました。
旅に出て、初めて海を見た時の彼女の一言。
「ああ、わたししはこのために長生きをしてきたのね」
とってもすてきでしょう?
今回改めてケストナーに出会って、
わたしは人への深い愛情を感じました。
ケストナー自身、戦争などで苦しんだ方のようですが、
それでも生涯人に対する愛を失わなかった方なのではないかと
本を読んでいて感じました。
ケストナーの作品は、
幼いころに読んでも今大人になってから読んでも、
どちらでも楽しめますし、心の深いところに届く本ばかりです。
小学生くらいのお子さんにも、大人のみなさんにも、
ぜひケストナーをお勧めしたいです。
みなさま、どうぞ良い週末を!