更新に時間がかかってしまいましたが、変わらずせっせと読書しております。
今日は児童書コーナーで見つけた一冊をご紹介します。
小学生高学年になった主人公は、今日の授業参観での母の態度が恥ずかしくて、落ち込みながら家に帰ります。母は実は養護学校の出身。
そのことを主人公やまわりに隠しているのですが、高学年にもなると、少しずつ自分の親がどこかほかの親と違うのかもしれない、ということに主人公は気づいていきます。
高学年にもなると、ただ怖かったり自分より強い存在だった親の、矛盾などにも気づいていく時期。自分にもそんな時があったなあと思い出しました。
主人公は本気で悩んで、本気で親が嫌いだったり、よそのおうちにあこがれたりするのですが、次第に親が嫌いな自分を認め、隠さなくなっていきます。
その成長の過程には別の大人が絡むのですが、親のことで悩む主人公にかける大人の言葉がすばらしくて、その態度をわたしはとれるだろうか、と考えてしまいました。ごまかしのきかない、直球勝負が描かれていました。
そして主人公も、しっかり自分の親の嫌なところを無視せず認めて、一緒に生きていこうとしています。またそこでも、自分は自分の親をそんな風に認めてきただろうかと、考えてしまいました。挿絵もすばらしかった。
簡単な主題ではないけれど、よかったら手に取ってみてください。
自分に問いかけることがたくさんある一冊となりました。