先週、図書館にて小川糸さんのエッセイをなぜか大量に借りて、読んでいたところすっかり著者のエッセイにはまってしまい、小説までよみふけっている最近です。
エッセイ→小説→エッセイ、と幸せなサンドイッチ読書をしています。
思えば小川糸さんの小説はたくさん手に取って大好きでいるのに、
世界にはまる 小川糸『ツバキ文具店』 - hon-nomushi’s blog
すべてが満たされるー小川糸『つるかめ助産院』+『これだけで、幸せ』 - hon-nomushi’s blog
全てを刊行順に読んでいなかったという。
何となくタイミングが合ったのでしょうね。
映画にもなっている『かたつむり食堂』でのデビュー時から始まっているエッセイの刊行ですが、その次2作目の『喋々喃々』を初めてエッセイの中で知り、読み始めました。著者は普段の生活がとても丁寧な方だと思うのですが、それが『ツバキ文具店』だけでなく、この作品にも余すところなく生かされていました。料理を丁寧にしたり、掃除を清める意味を込めてしたり。そのすべてが小説の色々なところに生かされているのを、全ての作品を通じて感じ取ることができます。今回の主人公はリサイクルの着物店を営んでいるのですが、着物の背景もとても丁寧に描かれていて、本当に勉強になりました。
主題は、主人公が妻子ある男性と恋に落ちる様子が丁寧に描かれているところだと思うのですが、舞台になっている谷中の雰囲気も捉えられていて、自分も住んでいるかのような感覚が得られるほど。
読んでいる間、何度も別の世界にトリップしているような引き込まれる感覚が強くありました。なかなか普段の生活に戻れないような…。
普段は音楽を聴きながら本を読むことはあまりないのですが、たまたま好きな映画「Drive」のサントラとこの本がとても合ったので、何度も音楽を繰り返し聞きながら、世界にひたっていました。
音楽とともに、主人公の世界にしっかりはまりました。別世界に行くことができるのは、しっかりとした小説のチカラがあるから。幸せな読書でした。