先日、職場で山崎洋子さんの話になりました。確か「イタリアのことをよく書かれているエッセイストの方で…」というつながりだったと思います。そこからイタリアの話になり、ある方が「『テルマエ・ロマエ』のヤマザキさんの本が面白いですよ。」と教えてくださいました。
普段マンガをあまり読まないので、ヤマザキマリさんは『テルマエ・ロマエ』という映画の原作者として知っている程度でしたが、エッセイをお借りしたら面白くて面白くて、すっかりはまって何冊も読みました。
中でも衝撃だったのがこの1冊。『国境のない生き方』。著者が子どものころの家族(主に母)の様子、イタリアに渡って極貧生活を送っていた時のこと、またさらにお子さんが産まれたあとのことなど…。
本を読んで、日本を離れていた時に持っていた感覚をいつの間にか自分が失っていることに気付き、愕然としました。どこにあるかわからないのに、なぜか色々なことに従わなければならないような気になる日本独自の常識、「みんな」の視点。その良さももちろんあるのですが、そんな常識など一歩外に出れば通じないことを、この本は気づかせて自分が揺さぶられました。いつのまにかがんじがらめになっていたなあと、自分の今を振り返りました。
著者が苦しいときに出会った本たちもたくさん掲載されていて、また新たな作者との出会いが生まれそうです。すばらしい本との出会いもこうして人から生まれていくもの。お気に入りの本があったらぜひ教えてください。