hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

小さいときのたからものー俵万智『ちいさな言葉』

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本も人も、ギャップのある人にとても惹かれます。
まじめそうな外観なのに、情熱的な恋愛が描かれていたり、
そっけない装丁なのに、実はすごく心を揺さぶられる作品だったり。
本の外側と中の作品のギャップがあるほど、とても惹かれます。
 
これもそんな作品の一つ。
穏やかな外観からは想像できないほど、おかしくておかしくて!
電車で読むのはおすすめできません。
ブログをはじめたころからご紹介させていただきたい、と思っていた一冊。
子育て中の方にぜひ!の一冊でもあります。
 
俵万智さんが息子さんが小学校に上がるまでの日々を、言葉の発達を通して
見つめるエッセイ。その言葉たちの使い方を読んでいると、言葉の発達にはどれほどの
見えない背景があることか、と思います。
そうしてしみじみすることもあり、感服するくらいおかしい言葉の使い方もあり、
間違っているけれど「この場面でそう言いたいの、わかる!」というのもあり、
とにかく笑い、うなずき、感情的に豊かな時間を一緒に過ごせるエッセイです。
 
今過ごしている子育て時間を「木馬の時間」と表現されていて、
その言葉を生活の合間に思い出すことがあります。
そうするとなんだか同じことを繰り返していても、安心するような
やさしい気分になります。
疲れたり、ちょっとほっと一息の時はぜひ。お共にしていただきたい一冊です。