去年の今頃はこんなに旅が自由にできなくなるなんて、思いもよりませんでした。
自由に生きたいところに行けるとは、なんと楽しいことだったんだろう。
今、心からそう思います。
でも、わたしたちには本がある!
本の中ではいくらでも遠くに思いを馳せることができるし、今だからこそ本で楽しむ旅が新鮮に感じられるのではないでしょうか。
今、わたしの住む街には素敵な図書館があって、そこにはいつも新聞の書評を紹介するコーナーがあります。家では新聞を取っていないので、そこで書評を読むのがひそかなたのしみ。自分が普段は出会えない本たちとの出会いがあるからです。
そんな風に見つけた沢木耕太郎さんのこの本。手元に届いたとき、まず本のサイズが好きだと思いました。わたしはA5サイズのノートが大好きなのですが、この本もA5。そして装丁と色が素敵で、目を奪われました。
そして中身は、以前行きたいと思っていた場所だけれどもたどり着けなかったところを再訪したり、故人を取材したときの後悔のこと、何者でもない自分だったころのことなど、旅にまつわる様々な出来事が書かれていて、旅が主役というよりも回想が主役のようにも思えます。
1つ1つのエッセイが長すぎないので、寝る前に1つずつ味わって読むのが合う本です。よかったら、寝る前にぜひ。ねっころがっても、重すぎない本です。