hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

健康診断に持って行かないことにした本 高山なおみ『自炊。何にしようか』

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12月に入りましたね。

毎年12月には健康診断を受けることにしています。

誕生日や記念日に受ける、というのが一番定着するそうで

日にちを模索しているここ数年。

11月頭が誕生日なので、きっと食べ過ぎるであろう誕生日の

数週間あとに設定しています。

 

健康診断の日は朝から何も食べられない、かつ

今年は初バリウムにしたので、水も飲めないという状況。

健康診断の時はいつも長編本を持って行って、

色々辛さを忘れるようにしている恰好の読書タイムなのですが、

検診の朝分厚い、この高山なおみさんの本をぱらぱらとめくって、

これは健康診断中の読書には全く向かないと気が付きました。

 

多くのページがカラーでおいしそうな調理過程にある野菜だったり、

ハンバーグや揚げ物も…。

検診前にぱらっとみて持って行かないことにして正解でした。

これを持って行っていたら、待合室でもんもんとしたことでしょう。

 

無事に検診を終えた後家で開いてみたら、食べ物たちが

調理途中のものも全ておいしそうに見える本でした。

どれもすぐに作りたくなる、躍動感もあります。

 

わたしにとって高山さんの海が見える素敵なマンションは、

いつかいつかこんな場所に住みたいと思う

理想郷のような場所です。

時折現れるマンションからの景色にも目を奪われます。

 

でも素敵なことだけが描かれているのではなくて、

1人暮らしを始められたからこその食べ方や、

1人だからこその緊張感も込められていて、

誰かの素敵な生活をこっそりのぞくのではなく、

ありのままの1人の生き方を見せてもらうような迫力もありました。

だからこの本がすばらしいのだと思います。

 

夏の夕暮れビールは、ぜひ来年作ってみよう。

残り物グラタンは、今日の夕ごはんにぴったり。

そうして自分の生活に1つ1つの料理を当てはめていると、

人の生活とはなんと美しいものなのだろうかという気持ちです。

 

料理を作りたくないときや、

なんだか日々がほこりにまみれているような気分のときに、

そっと寄り添ってくれる力強い本です。