hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

繰り返し出会う本の中のひと 宮本輝『ここに地終わり 海始まる』

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kindleの表紙をそのままアップするとなんだか味気ないですね!

わたしにとって大事な本で、時折読み返したくなる本です。

 

小学生の頃は浴びるように児童文学を読んできた私は、

中学生になった時に何を読めばいいのか、

全くわからず途方に暮れていました。

高校生になってからはとにかく荒れていて、

本を読むという行為からは本当に遠ざかっていました。

 

そんな空白の6年間ののち、浪人時代にたまたま

村上春樹さんの本を手に取って、そこから読書が復活し、

大人向けの小説をたくさん読むようになりました。

 

村上春樹さんの文庫がある「む」にほどちかい「み」で、

初めてこの小説に出会った時、とにかくタイトルが魅力的で

目が離せませんでした。

そして主人公の特別な育った環境もまた、

私の心から離れませんでした。

結核におかされてずっと病棟で育った主人公。

それが、たまたま慰問に訪れていたミュージシャンから

1枚のはがきをもらったことをきっかけに、

不治の病から復活し、日常生活に戻っていく。

 

今ある日常、電車に乗ったり、外で買い物をしたり、

そんなことが当たり前ではない主人公の姿を見ていると、

自分の周りの世界もなんだか新しい目で見るようになって、

主人公にすっかり魅了されてしまいます。

 

そしてこの小説を読むたびに、良い本に出会えた喜びと、

再び読書が人生に戻ってきた感謝、

本に出会うという事も、

決して当たり前ではないと心から思います。

ぜひ時間のある時に、どっぷりと小説に使ってみてください。