hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

現在のアメリカン・ドリーム ケリー・ヤン『わたしのアメリカンドリーム』

        f:id:hon-nomushi:20220510075904j:image

最近、アメリカに関しては格差の現実を書いたものが多い気がします。

けれどもこれはそんな現実を描きながらも、希望も書かれていて

最後まで読んで良かった、と思った作品です。

 

主人公の両親は中国からの移民で、

やっとのことで見つけた住み込みのモーテルは

思った以上の重労働。

主人公ミアは受付を手伝いながら、

そこで起きる様々なできごとと関わりながら

成長していきます。

 

様々な出来事、と簡単にひとくくりにしてしまったけれど、

酔っ払いが泊めてくれとからんできたり、

盗難事件が発生したり、主人公の年齢で対面するには

きついことばかり。

だけれど、主人公は英語を書くことを学び、

それを武器にして様々な人の手助けをしていきます。

その成長の過程こそ、アメリカンドリームそのもの。

昔のような一攫千金ではなく、

自分の力で勝ち取っていく過程こそが、

現在のアメリカンドリームそのものなのでは。

 

小説の中でもこうして希望を糧に

自分の力で生きている人物を知ることができたことで、

勇気をもらうこと、たくさんあると思います。

この本の主人公ミアも、

間違いなく人の背中を押してくれる人です。