最近の読み聞かせは『ライオンと魔女』。
自分でかなり本を読めるようになったけれど、
こういう長編は、漢字が読めなかったら嫌なようで、
なかなか自分からは手が出ないようです。
読んでほしいけれど、1人で読むのが大変な作品は、
わたしがお勧めして夜寝る前に読むことが多いです。
幸いなことに、読み聞かせを始めると物語の力で、
長くてもしっかりお話を楽しんでくれます。
クラシックな美しい装丁の本をわたしは選びましたが、
最近は写真の下に映っているような
学研「10歳までに読みたい名作シリーズ」などでも
同じ作品の簡易版(?)が出版されています。
名作・古典の作品を手に取る子がなかなかいなくて、
昔ながらの装丁だと、うちの子のように読むのが大変そうで
興味を持ってもらえないから故のことだと思います。
そんな子どもたちに少しでもとっつきやすくするために、
装丁や内容を変えているのだとは思うのだけれど、
編訳なので、本物とは全く違います。
うちの子も学校にあったからと、同じ「名作シリーズ」の
『ライオンと魔女』を借りてきていました。
自分でそれは全部読んでみたようだけれど、
嫌がらずに聞いてくれているので
夜は引き続き本物の『ライオンと魔女』を読んでいます。
昨日の夜、読んでいたら「あの本と全然ちがうね。」と
はっきり二つの本の違いがわかったようでした。
本物の作品の絵の美しさ、言葉の難しさ、翻訳された訳者の言葉選び。
読んだその時はわからないこともたくさんあるだろうけれど、
あえて難しさ、わかりにくさを省略しないことが、
どれほど子どもたちに大切な事か。
わからないことや怖いことを排除しないでいること。
物語が人に生きる力を与えるのは、
ここにあるのではないかと思うのです。
最初の入り口として「名作シリーズ」を手に取ったら、
そのあとにやっぱり本物の作品を読んでほしい。
心からそう思っています。