hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

児童文学は本物がいい C.S.ルイス『ライオンと魔女』

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最近の読み聞かせは『ライオンと魔女』。

自分でかなり本を読めるようになったけれど、

こういう長編は、漢字が読めなかったら嫌なようで、

なかなか自分からは手が出ないようです。

読んでほしいけれど、1人で読むのが大変な作品は、

わたしがお勧めして夜寝る前に読むことが多いです。

幸いなことに、読み聞かせを始めると物語の力で、

長くてもしっかりお話を楽しんでくれます。

 

クラシックな美しい装丁の本をわたしは選びましたが、

最近は写真の下に映っているような

学研「10歳までに読みたい名作シリーズ」などでも

同じ作品の簡易版(?)が出版されています。

名作・古典の作品を手に取る子がなかなかいなくて、

昔ながらの装丁だと、うちの子のように読むのが大変そうで

興味を持ってもらえないから故のことだと思います。

そんな子どもたちに少しでもとっつきやすくするために、

装丁や内容を変えているのだとは思うのだけれど、

編訳なので、本物とは全く違います。

 

うちの子も学校にあったからと、同じ「名作シリーズ」の

ライオンと魔女』を借りてきていました。

自分でそれは全部読んでみたようだけれど、

嫌がらずに聞いてくれているので

夜は引き続き本物の『ライオンと魔女』を読んでいます。

昨日の夜、読んでいたら「あの本と全然ちがうね。」と

はっきり二つの本の違いがわかったようでした。

 

本物の作品の絵の美しさ、言葉の難しさ、翻訳された訳者の言葉選び。

読んだその時はわからないこともたくさんあるだろうけれど、

あえて難しさ、わかりにくさを省略しないことが、

どれほど子どもたちに大切な事か。

わからないことや怖いことを排除しないでいること。

物語が人に生きる力を与えるのは、

ここにあるのではないかと思うのです。

 

最初の入り口として「名作シリーズ」を手に取ったら、

そのあとにやっぱり本物の作品を読んでほしい。

心からそう思っています。