hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

自分も子どももほっとする絵本 くすのき しげのり作 石井聖岳絵『おこだでませんように』

   f:id:hon-nomushi:20210330074901j:image

学校が春休みに入る前に、県が推奨する本の一覧を子どもが持ち帰ってきました。

その中の本を読んでみよう、と色々借りていますが、まず1冊目はこちら。

『おこだでませんように』。

 

印象的なタイトルと怒った主人公の顔は、1度見たら忘れられない1冊ですが、

中身もまたがつんとくる1冊です。

 

いつも妹とけんかをしてお母さんに怒られ、

学校の友達に手を出しては先生に怒られ、

だけれどもその前にちゃんと彼なりの理由があることを、

主人公の気持ちを言葉にして、作者は表現してくれます。

 

特にわたしがぐっときたのは、一度「遊ぼう」と言って断られた主人公の、

(でも、『なかまに いれてやらへん』と いわれたのは、

ぼくの こころが もらった パンチやで)

という一言。

なんだかこの一言を読んだとき、子どもの頃の自分が

なぐさめられたような気がしました。

 

言葉にできなかったくやしい気持ちを、

ちゃんと言葉にしてくれたことに心からほっとする絵本です。

いつも怒られてばかりの子どもがいる方にも、

自分が怒られた記憶のある大人にもおすすめ。