アート思考とはなんだろう?
と思い、この本を手に取りました。
作者はアートを通じて、
美術から人それぞれの考え方を導き出すという
授業をされている教員の方。
自分自身の美術の授業を振り返ると、
絵を描くのが上手な人が得意な科目で、
上手でない人にとっては苦痛以外の
何物でもなかったように思います。
特に自分が絵を上手く描けない、
つまり先生が評価されるような絵を描くことができないことが、
美術の授業が好きでなかった最大の理由だったのだと思います。
ですが、この授業は全く視点が違います。
「美術」の本来の目的は、…「自分なりの答え」を”つくる”能力を育むことなのです。
とあります。
そして、この「自分なりの答え」をつくることこそが、
これからの世界に求められていることと合致すると著者は考えています。
大人になってからだからこそかもしれないけれど、
美術作品を誰かの視点で考えたり、
時代背景から読み解く著者の授業は本当に楽しい。
そして同時に美術作品の変移も学ぶことができます。
特に現代アートのページは一読されると、
よくわからないとされがちな現代アートが
どんなものを表現しているのか、
どんな意味があるのか、よくわかると思います。
アートが、実はこんなにも自分の考えを
刺激するものであったとは。
願わくは高校ぐらいで著者の授業をうけたかったなあ。
これからの美術の授業は、皆がワクワクするものに
変わっていったらいいな。