hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

逆輸入で日本文学を読む 『須賀敦子が選んだ日本の名作』

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(画像をお借りしています)

須賀敦子さんの本を読んだとき、この日本文学を編集され、

翻訳されたというくだりが出てきました。

特に気になったのは『道』という作品。

なんということはないと須賀さんがおっしゃっている

日常を読んでみたくて、手に取りました。

 

そういうわけで今週は普段はあまり読まない日本文学を

読んだのだけれど、

普段日本文学をあまり読まないわけを痛感しました。

日本の昔の(時代がざっくりしすぎているけれど)小説は、

優柔不断な感じというのでしょうか。

『道』もまた、煮え切らない2人の夫婦の生活を

描いていて優柔不断さに少しいらいらしました。

 

これを読んだ外国の人は、日本のどこかじめっとした

日本らしさとはなにかを感じただろうか。

きっと、須賀さんの優れた翻訳によって、

日本の一部を感じられたと思うのです。

そしてそれぞれの国で、出版された時代は

どんな時代だったのだろうと想いを馳せるのです。

 

この翻訳された作品集を、外国に紹介されたから読んでみる、

という行為はまるで品物の逆輸入みたいです。