hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

余っている土地と増え続ける太陽光パネル 高橋久美子『その農地、私が買います』

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このところ、空いている土地が太陽光パネルになる状況を多く見かけ、

これは本当に環境に良いのだろうか、と疑問に思うことがありました。

土地はコンクリートで覆われ、近づくことは禁止され、

なにより見た目が美しくない。

 

そんな時に見つけたこの本は、まさに実家の土地を太陽光パネルの会社に

売るのをやめさせよう、と奮闘した著者の話でした。

もともとは農地だったところを、継ぐ人もおらず無駄に遊ばせるよりはと、

太陽光発電パネルの会社に売ろうとした家族。

それに反対した著者は、自分が農地を買い取り、

なんとか阻止しようと試みます。

でも農家ではない著者は、農地を買うことができなかったり、

最後には周囲の人たちの理解も得られなくなったり…。

 

正直に言うと、読んでいて苦しい展開でした。

一番わたしが読んでいて苦しかったのは、

未だに男女差別のようなものが残っていたり、

周囲の人の理解が得られず、家族が苦しむ姿でした。

そして、太陽光パネル畑にしないとしても、

その後が上手く展開できない農地の問題。

 

今の日本の問題がたくさん含まれていて、

それを個人で体験するとこのような出来事が起きるのだと

読んでいるだけでも、苦しく思いました。

 

景観をもっと大事にしたり、農業について知ることは、

これからすぐ始めなくてはならない勉強なのでは。

深くとげを指されたような読書でした。