hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

読み終わった後が心地よい フレドリック・バックマン『ブリッド=マリーはここにいた』

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これまたPinterestに出てきた本を見て、手に取ってみたのですが、

読んだ後になんだかほっとしてため息をついてしまいました。

結末が、とてもいいんです。

とても安心して、読み終えられる作品でした。

 

作家はスウェーデンの人気作家で、これまでの作品も

国内、国外ともに高評価を得ているそうです。

 

この作品の主人公ブリッド=マリーは他の作品でも、

少しだけ登場しているそうです。

一言で言うと面倒くさくて、話が通じなくて、

きれい好きの63歳。

夫が出て行ってしまったことで仕事を探しに職業安定所に出かけ、

そこで無理やり紹介させた地域センターの仕事をするために、

ボリーというさびれた街に行きます。

 

そこでなぜかサッカーに興味がないのに

サッカーのコーチをさせられたり、

唯一あるお店の掃除に手を出したり、

とにかく一筋縄ではいかない登場人物たちと、

なぜか打ち解けていくのです。

彼女の性格が大きくかわったわけでもないし、

周りの人たちも彼女の困ったところに困ってはいるのだけれど、

それぞれ互いに受け入れてお互いの良いところを

引きだしあっているのがこの小説の面白いところです。

 

心が疲れてあまり元気がないときに、ぜひ読んでみてください。

手がかかる、困った人でも、

ちゃんと周りの人と関わり合いながら生きていける様子が、

なんともいい小説です。